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2001年2月10日のトップニュース

「共産主義者の仕業」

大統領派デモめぐり

左翼攻撃と中傷合戦

指導者が矛先を転換

 東ジャワの大統領支持派による暴力的なデモを懸念したアブドゥルラフマン大統領は九日、大統領が支配するナフダトゥール・ウラマ(NU)の本拠地スラバヤを訪れ、「ゴルカル党の支部は十一カ所も破壊された。そのことは(米国の)CNN放送も伝えた」と述べ、デモ隊を傷つけない言葉でデモ自粛を呼びかけた。大統領降ろしの側にいる指導者は、暴力デモを動員したナフダトゥール・ウラマを直接批判せず、一転して左翼勢力に非難の矛先を向けた。民衆の関心を、この国伝統のやり方で、存在がはっきりしない左翼勢力に向けるプロパガンダと、妥協しない中傷合戦を通じ、乱戦模様の権力闘争を続けている。

「ゴルカル党が扇動」


 大統領は、スラバヤの支持者の前で「ゴルカル党の元幹部を汚職で逮捕する」とも述べた。不正追及の国会の動きを扇動する首謀者は、ほかでもない守旧派のゴルカル党であると庶民に植え付け、自らを改革派の本流と印象付ける強気の戦略だ。
 ソロを訪問したメガワティ副大統領は九日「暴力的なデモは認めない。民主国家で許されない破壊行為が行われている」と語った。建国以来の深刻な危機であるとの認識を示し、暗に大統領の指導力に疑問を投げかけた形だ。
 これに対し、ゴルカル党のアクバル・タンジュン党首は、「紛れ込んだ左派学生が、民衆を動員して暴力デモを仕掛けたこ」と述べ、自党の本拠地破壊に巨大なイスラム組織が関与していないという奇妙な分析を披露した。 
 大統領降ろしの急先鋒であるアミン・ライス国民協議会議長でさえ、「東ジャワのアナーキズムは、サントリ(イスラム寄宿塾の生徒)たちではなく、共産主義者が彼らに紛れ込んで引き起こしているものだ。サントリはこれほど暴力的ではない」と解説し、これまた敵方のイスラム組織に触れることを避け、一転して左翼勢力の非難に回った。

「大統領が仕掛けた」


 ところが、最も保守的なイスラムである月星党や正義党など小政党の批判は明快で、「大統領が秩序を回復させなければ、国会は新たな警告書を出す」との声明を出した。「暴力デモを指示したのは大統領だ」「大統領派は左派系学生を巻き込んで民衆を動員している」と、むしろ大統領や、その支持団体の責任をはっきり追及している。

各地でデモ頻発


 大統領の辞任を求める反大統領派と、大統領支持派のデモは、九日もジャカルタ、スマランなど各地で行われた。
 ジャカルタではインドネシア大学などの学生約五千人が、大統領官邸に押しかけた。八日の暴力デモで、校舎が破壊されたイスラム団体・ムハマディアの中高生や教員約二千人も、スラバヤ州庁舎前でデモ、大統領派の暴力行為を非難した。
 中部ジャワ州スマランでは、州議会前にディポヌゴロ大学などの学生数千人が集結、大統領の辞任を要求した。ジョクジャカルタのガジャマダ大学でも、数百人の学生が大統領の辞任を訴えた。
 一方、バンドンの大統領支持派のデモ隊は、イスラム知識人協会(ICMI)の西ジャワ支部、ゴルカル党の州支部を閉鎖しようとデモをかけ、治安部隊とにらみ合った。

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