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2001年2月5日のトップニュース

大統領の指導力に陰り

緊急閣議は議論沸騰

法相は「辞任勧告」

放言が危機管理に打撃

 食糧調達庁詐欺事件とブルネイ国王献金事件にからんで国会から警告を受けたアブドゥルラフマン大統領は三日、緊急閣議を開いた。この席で野党出身のユスリル法相は大統領に辞任を勧告して注目された。一方、政権与党でありながら「大統領関与」の調査報告を認めたメガワティ副大統領に対し、大統領側近から批判が相次いだ。ユスリル法相によると閣議は議論沸騰。国会対策についても閣僚の意見が対立した。大統領と国会の緊張状態が続くと、閣内の亀裂が広まり、大統領の指導力が急速に衰える可能性も出てきた。
 三日の緊急閣議には急きょ、陸、海、空軍参謀長も招かれた。議論は今後の国会対策、大統領に批判的な言動をしているユスリル法相やメガワティ副大統領の動きが取り上げられた。
 ユスリル法相が大統領の辞任を要求していることについて、エルナ・ウィトラール居住・地域開発相は「ユスリル氏の発言は閣僚としての発言か。月星党党首としての発言か。内閣の統一を乱す」と強く批判した。
 ユスリル法相は「不正事件は警察・検察が捜査し、十分な証拠に基づいて起訴されなければならない。インドネシアの歴史で大統領が刑事事件で捜査を受けた前例はない」と主張。「私が大統領だったら辞任する。それが大統領と国民のためだ」と進言したという。
 数人の閣僚から「闘争民主党が国会特別委員会の調査報告書を承認したのは驚きだった」という発言が相次いだ。国会特別委員会の大詰めの審議で、当初、慎重論を唱えていたメガワティ党首が、闘争民主党として「大統領関与」の調査報告書を承認する方向で党議拘束をかけたことに閣僚から疑義が出されたわけだ。
 しかし、メガワティ副大統領は沈黙したままで、反応しなかったという。
 ウィトラール大統領報道官は閣議のあと「内閣は分裂していない。メガワティ氏は依然として大統領を支持している。オープンに議論することに全閣僚は満足している。しかし、閣僚は改革内閣の一員として、団結しなければならない」と語っている。
 閣僚の亀裂の原因は、またしても大統領や側近の異常な発言にありそうだ。異常な発言が誤解を生み、その結果、大統領の指導力の陰りを増幅している。
 国会審議に照準を合わせマーフッド国防相は「国軍が政権奪取する恐れがある」と発言した。政権危機の最中、国防相がクーデターの可能性を示唆するという異常な発言を二回繰り返したあと、大統領も「国会、国民協議会を凍結し、六カ月以内に総選挙を行う」とこれまた異常な発言。
 大統領はまた「私を辞めさせようとしている国会議員を告訴する」とも語り、大統領制の下で、大統領罷免などあり得ないとする大統領の論理をごり押しする姿勢がうかがわれる。
 国会第一党の闘争民主党党首でもあるメガワティ副大統領が「大統領関与」の報告書を認める党議拘束の指示を出したことも、大統領をいら立たせたようだ。
 国会審議を通じ、これまで大統領に軽視されていたメガワティ副大統領が次第に優位に立ち、大統領に対するバーゲニング・パワーを強めたと政界筋はみている。
 メガワティ副大統領は、まだまだ、徳川家康の「鳴くまで待とうホトトギス」の姿勢。だが、大統領はメガワティ氏のテコ入れなしで政権を維持できない状態となり、多くの閣僚は大統領の孤立化を懸念し始めているとみられる。
 筆頭閣僚であるスシロ・バンバン・ユドヨノ調整相(政治・社会・治安担当)は、「大統領は物事に、自分の考えで自己流に反応している」と述べ、大統領や側近の無責任な放言が政府の危機管理に打撃を与えていることを率直に認めている。

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