ホーム
2001年1月30日のトップニュース
国会本会議荒れる
大統領関与の報告書上程で
与野党が激突
国会は二十九日夜の本会議で、食糧調達庁詐欺事件とブルネイ国王献金事件に対するアブドゥルラフマン大統領の関与を示唆した国会特別委員会(バクティアル・ハムシャ委員長)の調査報告書を受理し、一日に再開する本会議で審議を開始することを決めた。午前中の本会議で、ハムシャ委員長が概要報告を開始すると大統領与党の民族覚醒党が「調査は違法だ」として議事の中止を要求、本会議は中断した。この間、大統領の辞任を要求する学生約一万人が国会を包囲、動員された大統領擁護派のデモ隊も国会構内に集結、両派の衝突が予想される事態となった。報告書をめぐり与野党の対立が激化している。
国会特別委員会は前夜の討議で、大統領が二つの金権事件に関与した旨の調査報告書について採決、 定数五十人の委員のうち三十七人の賛成で承認された。これを受け、ハムシャ委員長(開発統一党)が、四カ月に及んだ調査結果を説明するため本会議の演壇に立つと、大統領与党の民族覚醒党の議員が「インタラプシ」(動議)と叫んで、議事進行を中断させた。このため、アクバル・タンジュン議長は本会議を中断させた。
混乱回避のため各会派代表と議長らが協議した結果、二十九日夜、アクバル議長が調査報告書を正式に受理、一日に再開する本会議で、報告内容について審議することを決めた。この決定に反発した民族覚醒党の議員は、協議の場から退場した。同議長は「審議は公開なので国民は自由に傍聴できる」と語った。
二つの事件の調査報告書は一日の本会議まで非公開とされている。アブドゥルラフマン大統領が、一昨年の総選挙に向け、二年半前に創設した民族覚醒党は、大統領の出身母体であるインドネシア最大のイスラム大衆組織ナフダトゥール・ウラマ(NU)の政治団体。大統領の出身地である東ジャワを中心に支持者が多く、この日に備え、一時は、八万人の大統領支持デモが予定されていた。
半世紀のインドネシアの議会史で、権威ある大統領が、金権問題の追及で議会側から調査報告書を突き付けられたのは今回が初めて。野党の中には、この一年の大統領の失策を取り上げ、八月の国民協議会に大統領を辞任に追い込む戦略を持つ議員が増えている。
大統領のメンツを守るだけでなく、こうした与野党対決に対処するためには、調査報告書を無効にする必要があり、民族覚醒党の抵抗は強い。
もう一つの政権与党である闘争民主党は「国家利益重視」を理由に、メガワティ副大統領(党首)が大統領擁護を打ち出しており、報告書を骨抜きにする方向で動いてきた。
政権を手にして一年三カ月。アブドゥルラフマン政権を誕生させた開発統一党、国民信託党、月星党、正義党などイスラム各党は、大統領の疑惑解明をめぐって完全に野党化。スハルト政権の与党だったゴルカル党も含めた野党勢力の攻勢は、一層厳しくなる。大統領は最大党の闘争民主党を率いるメガワティ氏の支援が必要となっている。
食糧調達庁職員財団の公金三百五十億ルピアを、大統領の専属マッサージ師が詐取、大統領の女性友達らと山分けした事件(ブロッグゲート)について調査報告書は、公金をだまし取られた食糧調達庁幹部や、警察幹部の証言を基に「関与」を示唆。アチェ紛争解決の支援金として受け取ったブルネイ国王からの二百万ドル献金(ブルネイゲート)については、その金が国庫に繰り入れず、しかもアチェ住民へはごくわずかしか渡されていない事実などが盛り込まれた模様だ。
Copyright © 2000 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
All Rights Reserved.