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2001年1月18日のトップニュース

学生ら5000人が国会包囲

大統領の不正疑惑追及デモ

議員の弱腰に怒り

催涙ガス、ゴム弾で鎮圧

 アブドゥルラフマン大統領を国会に喚問し、不正追及が予定されていた十七日、反政府勢力のデモ約五千人が国会を取り囲み、大統領の喚問拒否に抗議するとともに、事件解明をあいまいに処理しようとする国会の動きに怒りの声をぶつけた。治安部隊は学生のデモ隊を鎮圧するため催涙弾を使用するなど、アブドゥルラフマン大統領の辞任を求める反政府デモとしては、初めて緊迫した最大動員規模の抗議行動となった。
 政権派と反政府派の衝突が予想された十五日の学生デモは三十人程度だったが、十七日は国会特別委員会が食糧調達庁詐欺事件とブルネイ国王献金事件で大統領の喚問を予定していた日で、インドネシア大学の学生組織やイスラム少数政党がデモ隊を動員し、その数は約五千人に増えた。

■しばらくぶり催涙弾
 インドネシア大学の学生らは午前十時ごろから、バスやバイクで国会前に集まり、午前十時五十分ごろ、国会敷地内に入ろうとした。正門の鉄柵を押し倒そうとしたデモ隊に、治安部隊が数回にわたり催涙弾とゴム弾を発砲、緊迫した雰囲気に包まれた。
 その後、正門が五十センチほど開かれ、国会内に入ることが許されたため、大きな衝突にはならなかった。有刺鉄線が巻かれた門で、学生らは身体検査を受けた。

■学生ら議員にヤジ
 午後零時半、大型スピーカーを乗せた軽トラックでバクティアル・ハムシャ国会特別委委員長がデモ隊の中に入り、「大統領の事件関与が証明されたら、大統領は罪を認めなければならない。特別委は真実を追究し、二十九日に結論を出す」と叫んだ。バクティアル委員長は、学生から「証拠だ。証拠を見せろ」とヤジられた。

■議員団がサル扱い
 その揚げ句、デモ隊の指揮者が、かごに入ったサルを掲げ、「特別委は二十九日に真実を公表すると約束した。ウソだった場合、特別委はこのサル以下の存在になる」と皮肉った。
 生きたサルを手渡されたバクティアル委員長は「真実を公表できなかったら、特別委はサル以下だ」と同意してみせ、特別委委員のユリウス・ウスマン議員は「二十九日、特別委の仕事ぶりを評価してください。だれが本当のサルであるかを証明します」と述べて、いらだつ学生たちを押さえにかかった。
 午後一時半、デモ隊は自主的に解散したが、指導者によると、十八日以降もデモを続行するという。

■汚職反対の学生組織
 この日の学生デモは、インドネシア大学学生連盟を中心にトリサクティ大学、ジャカルタ・ムハマディア大学、ボゴール農科大学、ジャカルタ国立大学などの学生が加わった。
 このうち、インドネシア大学学生自治会は「汚職に反対する国民の会」の活動家などで、「圧力に屈するな」と議員団に要求した。
 インドネシア大学学生連盟のタウフィック・リヤディ代表は「国会は食糧調達庁事件など不正追及を政治ゲームにするのではなく、真剣に究明すべきだ。違法行為が立証された場合、大統領は自分の行為に責任を取るべきだ」と声明を読み上げた。

■公私混同の大統領
 「グムス」と名乗るイスラム団体の若者たちは、大統領を批判する寸劇を披露。ダラン(影絵芝居のワヤン使い)の若者が「大統領はハラルとハラム、公的資金と個人の金の区別もつけられない」と語って大統領を痛烈に批判。「反改革」を名乗る獅子舞が、周りのデモ隊に次々と襲いかかる場面を演じて、デモ隊を笑わせた。


大統領熱烈支持 NU数万人デモ

 東ジャワ


 首都ジャカルタで、大統領の不正追及の学生デモが荒れる一方で、大統領の地盤である東ジャワ州各地では十七日、大統領の支持母体のナフダトゥール・ウラマ(NU)の会員を中心とするデモ隊数万人が、アブドゥルラフマン大統領とメガワティ副大統領への熱烈支持を表明した。危機に直面した大統領を支援するため、首都なぐり込みを宣言していた東ジャワの政権支持派のデモは、ジャカルタの学生デモを大きく上回った。
 スラバヤでは、トラックに乗った数千人のデモ隊が市議会に集結、二〇〇四年に任期を終えるまで大統領を支持すると叫んだ。
 マランでは、マラン・イスラム大学、イリアンジャヤ学生フォーラムなど大統領支持派の学生団体もデモ隊に加わった。
 ジョンバンでは、数千人のデモが県議会前に集結したあと、祈祷集会が開かれ、暴力やテロ、政治エリートの間の政治抗争を止めるよう祈った。
 パスルアンではイスラム指導者らが集会で演説。大統領支持と、旧政権の不正蓄財事件の早期解決を訴えた。
 ジュンブル、ルマジャン、マディウン、モジョクルトなど各地で五千人以上のデモ隊が集結。スラバヤ近郊のグレシックでは二万人にのぼる群集が大通りを埋め尽くした。
 一連のデモは、大統領の出身母体であるナフダトゥール・ウラマが動員したもので、首都ジャカルタで、野党攻勢を受ける大統領派の青年組織が、かねてから首都なぐり込みのデモをかけると公言していた。


日本人学校は午前で終了


 ビンタロ・ジャヤのジャカルタ日本人学校(岩井宏有校長)は十七日、国会デモに配慮し、授業を午前中で切り上げ、午後零時二十分、生徒・児童全員をバスで帰宅させた。
 斎藤有紀雄教頭によると、小学部、中学部の七百三十五人の生徒・児童は担任の先生が添乗したスクールバスで、午後二時までに自宅に帰った。国会近くの帰宅ルートに当たる児童は、マイクロバスに分乗し、迂回路を通って帰宅した。
 この日は通常通りの授業を予定していたが、デモ隊の規模が予想外に大きかったため、日本大使館と協議の上、緊急措置として半日の授業となった。

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