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2001年1月13日のトップニュース
「ストレス減った」インドネシア
アジア駐在員調査
ベトナムに次ぎ悪いが
国への愛情が深く改善
スハルト退陣(一九九八年)の五月暴動や、通貨危機の発生から二年半が経過したインドネシアの駐在員は、ストレスをどの程度感じているか−香港の調査機関がこのほど、アジアの駐在員を対象にしたユニークな調査結果をまとめた。それによると、インドネシアでは、一年前に比べ、駐在員のストレスが大きく減ったが、インドネシアはベトナムに次いで最もストレスが多い国−との結果が出た。その一方で、インドネシア国内には、インドネシアという国そのものに好意的な駐在員が多いので、他の国に比べてストレスが大きく減る方向にあると分析。中国、ベトナム、フィリピンに比べ、駐在員が前向きに仕事をしていることが、ストレスの減少になっている、としている。
調査を行ったのは、アジアのカントリー・リスクを調査するシンクタンク「ポリティカル・エコノミック・リスク・コンサルタンシー(PERC)で、ニュースレター「アジアンインテリジェンス」の昨年十二月六日付で発表された。
日本、中国、香港、韓国、台湾、インドのほか、東南アジアのマレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシアの十二カ国の駐在員を対象に、一九九六年から調査してきたもので、今回は一九九九年と二〇〇〇年の調査結果を比較し、分析した。
ストレス調査はアンケートや面接によるもので、ストレスがない最高の環境である「0」から、ストレスで最悪の環境の「10」までの間の数値で表現している。
日本はゼロに近い二・〇〇、マレーシア三・五〇、シンガポールとタイが四・〇〇、フィリピン四・一七、台湾四・八〇、香港四・八五、韓国五・八三、中国五・八九、インド六・六〇、インドネシア六・六三、ベトナム八・九〇となっている。
■予測可能な社会へ
それによると、日本、中国も含むアジア全体の駐在員のストレスは少なくなった。通貨危機当時に比べると、特に、日本、タイ、中国、韓国で改善された。
これらの国で「ストレスが減った」と感じさせる理由は「経済、政治の見通しが、善し悪しは別として、予測可能になったことである」としている。
アジア通貨危機が発生した一九九七年七月以降、アジアのどの国の駐在員も、突然襲った通貨暴落、赤字転落、労働攻勢、債務増など経営上の問題を抱えた。ビジネスマンとその家族が、暴動から身を守らねばならない安全問題にも直面し、ストレスは最悪の状態だった。
■通貨危機ストレス脱却
二〇〇〇年(昨年末)の調査で、アジアの駐在員はおしなべて、そうした最悪の状態から脱しつつあるというのが、今回の調査結果だ。
その理由は、駐在員がアジア経済の現実を把握し、計画を再編成し、新しい戦略を立てる時間が持てたこと。これ以上の経営縮小を必要としなくなりつつあること、周辺国も経済開放化に向かい、国際的な環境も危機予測がやりやすくなったことなどがある。
■ベトナムなどは悪化
ところが、フィリピン、ベトナム、シンガポールでは一昨年より昨年の方が、ストレスが多くなった。エストラダ大統領の弾劾裁判が始まったフィリピンの政治情勢は緊迫しており、シンガポールはインドネシアの政情不安の影響を受けている。官僚主導のベトナムは、改革のペースが遅く、相変わらず厳しい情勢だ。
さようなら悲観主義者
インドネシアのストレス状況は「一九九九年より二〇〇〇年は改善」した。しかし、依然としてアジアでは最もストレスが強い国の一つで、最悪のベトナムの次に位置している。
昨年「改善」されたのは、ストレスを感じやすいペシミストの駐在員が、あの暴動でインドネシアを去ってしまっていることが原因だ。現在、がんばっている駐在員が、インドネシアという国と人々に対し、深い愛情を抱いていることも「改善」に寄与している。こうした駐在員は客観的な経済分析に頼らず、インドネシアが危機を乗り越えてほしいと期待をかけている。
ジャカルタの日常生活が、一九九八年のスハルト政権崩壊の年に比べると、はるかにストレスが少なくなっていることは間違いない。デモは少なくなったし、政府は一応機能している。犯罪も減っている。駐在員が家庭や子供の安全を当時ほど心配しないですむようになった。
いまの政治情勢がある日突然、悪化する方向にはないだろう。インドネシアに残った駐在員は、ほどほどに自信を持っている。今すぐ帰国してしまうほど、悲観的ではなくなった。駐在員が危険手当の増額を本社に要求するのに不都合な情報だが、インドネシアの将来のためには、いい傾向である。
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