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2001年1月10日のトップニュース
大統領「味の素は食べてよい」
イスラム指導者会議に挑戦
安全宣言で収束狙う
アブドゥルラフマン大統領は九日、訪問中の高村正彦法相との会談で、インドネシア味の素問題に触れ、「味の素に豚の成分は含まれていない。味の素はハラル(イスラム教徒が食べてもよい食品)である」と述べ、イスラム指導者会議(MUI)が「ハラム」(摂取禁止)と断定した結論を真っ向から否定した。この会談を説明したウィマール・ウィトラール大統領報道官は「大統領は味の素問題を宗教的な問題ではなく、まったくの政治問題と受け止めている」と語り、味の素問題についての大統領の公式見解を初めて明らかにした。イスラム指導者会議にあえて挑戦し、味の素の安全宣言をすることで事態収束を狙った大統領の発言は、味の素幹部の刑事責任を追及中の警察当局への圧力になるばかりか、宗教上の論議に拍車をかける恐れもあり、味の素問題の行方は、いよいよ波乱含みになってきた。
ウィマール・ウィトラール大統領報道官によると、大統領の「味の素はハラル」発言は、大統領自身が三つの大学、インドネシア科学院(LIPI)、技術評価応用庁(BPPT)の専門家の報告を基になされたものであり、大統領は「宗教上の問題ではない」と結論づけた。
「味の素はハラム」であるとするイスラム指導者会議の結論をどうするのか聞かれた同報道官は「国民自身がどちらを信じるか自分で決める問題だ」と答えた。
これに先立ち、大統領は八日夜、イスラム指導者会議主催のイドゥルフィトリ(断食明けの大祭)の後の懇親会に出席、大統領は「みなさんの会議は単なるイスラム組織の会合でなく、イスラム社会にとって有益な思想を生み出す場所にしてほしい。イスラム指導者は(キリスト教など)他の宗教会議と同じように、民主主義や人権の問題について大いに語るべき時だ」と述べた。
また「イスラム指導者会議は体質を変えてほしい。この会議の評価は、会員の数によって決まるのでなく、会議が生み出す思想によって定まる。イスラム教徒の意見を代弁する機関を目指すべきだ。個人の利益を考えるだけなら、イスラム教徒にとっては災害だ。イスラム指導者会議が、かつて、民主主義について語ったことがあるのか。一度もない」と語り、国民にとって重要であり、もっと普遍的な民主主義や人権問題などを論じるよう促した。
この大統領の発言は「ハラムかハラルか」の味の素論争に直接触れたわけではないが、イスラムのトップ指導者が、社会の変化に対応しない訓詁学的な議論に埋没している現状を批判したものとして注目される。
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