ホーム
2001年1月5日のトップニュース

ブルーバードのお家騒動

姉と弟が熾烈な遺産争い

脅迫、中傷、告訴、デモ

姉社長「私が後継者」

 インドネシアのタクシー会社の中で最大にして最良のサービスと評価を得てきたブルーバード社の創業者一族に、遺産をめぐり、ドラマ顔負けの争いが起きている。
 創業者で二〇%の株式を所有していたムティアラ・シティ・ファティマー・ジョコストノさんが二〇〇〇年六月に死去すると、残された三人の子供たちの間のいさかいは警察を巻き込む、脅迫・陰謀事件に発展。長女ミンタルシー・ラティフさんが社長を務める、ブルーバードのグループ会社ガムヤ社がタクシー料金を初乗り二千ルピアとする旧料金体系に戻すと、長男チャンドラ・スハルト氏と二男プルノモ・プラウィロ氏(末っ子)が二年前の事件を持ち出し、ミンタルシーさんを警察に訴え出た。

 ミンタルシーさんは「昨年の五月ごろから、母ムティアラの病状が悪化すると、長男と二男が結託し、私を含めた株主を追い出しにかかった。母の株二〇%を狙っているのは明確。脅迫行為もあった。許されないことだ。一九七二年のブルーバード創業から、実質的に働いてきたのは、この私なのに」と怒りを込めて語った。
 ミンタルシーさんによると、創業当時、ムティアラ一族は二人の役員を出す権利を得、母のムティアラさんとプルノモ氏が就任、ミンタルシーさんは代表権のない取締役に就いた。
 長男のチャンドラ氏は一九九一年に理事長としてブルーバード社の経営に加わったという。
 ミンタルシーさんは「男兄弟二人がブルーバードグループ全体を支配しようとしている。母が六月に他界した後、私を追い出すために二年前の事件を持ち出して、警察に私を訴えた。昨年十月のことだ」と述べた。
 二年前、ミンタルシーさんは、ブルーバード社の役員秘書、ディアナ・ノファリデウィ氏に対して会社の帳簿を見せるように命令したが、ディアナ氏が拒否。
 怒ったミンタルシー社長は机をたたき、引き出しをひっくり返して、ディアナ氏を脅かしたという。ミンタルシーさんは「私は取締役として、今のブルーバード社の経営を心配している。怒って机をたたいたことは認めるが、帳簿を見る権利を持っている」と主張する。
 この事件で、昨年十月三十日、ミンタルシーさんに逮捕状が出た。ミンタルシーさんは「この逮捕状も男兄弟二人による圧力だ」と述べる。
 逮捕状が出る二日前の二十八日、ガムヤ社は十一月一日に一度値上げしたタクシー料金を、初乗り二千ルピアとする旧料金体系に十二月一日から戻すことを決定した。ミンタルシーさんは「私には私の計算がある。ブルーバードに追従するだけではない。何らかの嫌がらせが発生するかもしれないが、皆で頑張ろうと話し合った」と打ち明けた。
 十二月一日、私服警官がミンタルシーさんの自宅を家宅捜査した。ミンタルシーさんは「警官というより、ちんぴらに見えた。怖くて逃げたが、知人の勧めもあって南ジャカルタ警察に出頭した」という。六日、再び出頭した際、ガムヤ社の運転手が大挙して警察前に集結、デモ騒ぎとなった。
 ミンタルシーさんは「今のところ、警察からの呼び出しはない。マスコミで騒がれたため、警察も手を出しにくいだろう。今後、嫌がらせがあったとしてもガムヤが、ブルーバードグループを出ていくことはない。私もブルーバード社の役員であり、株主であり続ける」と語った。

■ミンタルシーさんの野望

 アルフィン・ハルディアン・ブルーバード社広報部長は「母親のムティアラさんがプルノモ氏を後継者に指名したことで、争いが始まった。正式な後継者はプルノモ社長である。ミンタルシーさんはブルーバード社の経営に問題があると言って、いろいろ口出ししてくる。彼女自身が社長の座を狙っているに違いない」と語った。

■ブルーバードグループ株主構成

 グループのうち、ブルーバード社、ガムヤ社、モランテ社の三社について、母ムティアラさん名義が二〇%、三兄弟がそれぞれ一五%ずつ、残り三五%をもう一人の創業者スリヨ・ウィビオット氏の子供のラニ氏、エリ氏、グナワン氏が保有。
 同グループのチュンドラワシ社、プサカ・ヌラ社、プサカ・サトリア社、リンタス・ブアナ社の四社はチャンドラ氏、プルノモ氏が五〇%ずつ所有している。

Copyright © 2000 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
All Rights Reserved.