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2000年12月20日のトップニュース

停戦合意延長を拒否

大統領がアチェ訪問

イスラム法宣言は断念

 アブドゥルラフマン大統領は十九日、アチェ特別州の州都バンダアチェにあるバイトゥラフマン寺院で演説し、来年一月十五日に期限が切れる政府と自由アチェ運動(GAM)の人道合意を延長する意向がないことを明言するとともに、武力ではなく対話を通じて同州の分離・独立問題解決を目指すことを改めて強調した。大統領はこの日、同州でのイスラム法(シャリア・イスラム)適用を宣言する予定だったが、アチェの学生などから反対表明が相次いだため見送られた。
 バティックの上着のなかに防弾チョッキを着込み、着ぶくれた姿で寺院に現れた大統領は「人道合意は終わりにする。しかしアチェがインドネシア共和国の枠組みの中で、暴力から完全に自由になるまで話し合いを続ける。一般市民の犠牲者を数多く出した治安部隊の活動は誤りだった。私も大統領として過ちを犯した。GAMも同朋なのだから、敵としてではなく友人として扱うように治安部隊や州知事に伝えた」と、アチェの政治家や宗教家など招待客約千人に対して語った。寺院の外には学生ら約千人が集まった。
 大統領はさらに「アチェ住民は政府を信じてほしいとしか言えない。大統領として、状況を改善できずに私もつらい。もし私がイスラム教徒でなかったら、すでに自殺していただろう」と弱音とも取れる発言も飛び出した。
 大統領は演説を終えると、すぐに寺院から退出したため、招待客の一部から「なぜ大統領と話し合いができないのか」と不満の声が上がった。
 国立シャークアラ大学の学生ら三人が、大統領が車に乗り込む前に強引に大統領に話しかけ、独立派学生団体「アチェ住民投票情報センター」(SIRA)のムハマッド・ナザル議長を釈放することや、インドネシアからの分離・独立を問う住民投票をできるだけ早く実施するよう要請した。学生によると、大統領は「関係閣僚と話し合う。ナザル議長は近日中に釈放されるだろう」と答えたという。
 大統領は当初、同州にイスラム法の適用を宣言する予定だったが「アチェ住民は熱心なイスラム教徒がほとんどであり、今さら効果はない」などの批判が相次いだため、見送った。
 大統領はこの日、午前十時ごろ(西部インドネシア時間)に特別機でアチェのイスカンダルムダ空港に到着した。ヘリコプターでバイトゥラフマン寺院に向かう予定だったが、豪雨により車を使用したため、寺院には予定より一時間遅れて午後零時ごろに着いた。
 スシロ・バンバン・ユドヨノ調整相(政治・社会・治安)とスルヤディ・スディルジャ内相、ウィドド国軍司令官、ビマントロ国家警察長官のほか、エジプト、マレーシアなど十カ国のイスラム国からの大使が大統領に同行した。
 この日の午前、バンダアチェ市内の橋で小規模な爆発があったが、けが人などはなかった。警察発表によると、十八日夜から十九日にかけ、アチェブサール県内各地で十回以上の爆発があった。
 バンダアチェでは約五千人の治安部隊が厳戒態勢を敷いた。商店などは騒動を恐れてほとんどがシャッターを降ろしたままで、学生によるデモもなく、市内は静寂に包まれた。

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