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2000年12月8日のトップニュース

アチェ、イスラム法施行へ

19日に宣言

1000億ルピア援助も

大統領訪問に住民は冷淡

 アブドゥルラフマン大統領は十九日、分離独立問題で揺れるアチェ特別州で、同州におけるイスラム法(シャリアー・イスラム)の施行を宣言する。また人道支援の資金として一千億ルピアをアチェ特別州に供与する。分離・独立運動に歯止めをかけるため大統領が公約した地元対策だが、アチェの人々の反応は冷たい。
 アルウィ・シハブ外相は六日、「インドネシアで初めて、特定の州でイスラム法が施行される。アチェの人口統計に基づいての決定だ。アチェ住民への連帯感を示すためにイスラム国家三十四カ国の大使も式典への参加を予定している」と語った。
 イスラム法が適用されるのはイスラム教徒のみ。石打ちの刑などは除外されるという。
 式典は当初、大統領がバンコクから帰国する十五日にアチェに立ち寄る形での開催が予定されていたが、マーフッド国防相が「立ち寄るのでは誠意が伝わらない」と助言し、十九日に変更した。
 ■ジャワ人の押しつけだ
 住民の反応は冷淡だ。ジャーナリストのヌルさんは「ジャワにイスラムを伝えたのはアチェ人だ。それが今、ジャワ人がアチェでイスラム法施行などと言っている。受け入れがたい。大統領がイスラム法を施行しなくても、教義を守る人は守る。政治的なパフォーマンスでしかない」と語った。
 ■すでに慣習法がある
 ヌルさんによると、これまでアチェ特別州議会が中心となってイスラム法施行の実施を推進していた。アチェにはアダット(慣習法)もあり、イスラム法が正式に施行されると混乱が生じる可能性もあるという。
 ヌルさんは「一九九九年の地方選挙では有権者の一五%しか投票を行っていない。州議員は民衆の総意を反映しているものではない。イスラム法施行は議員の点数稼ぎでしかない」と厳しく批判した。
 ■大統領は来なくてよい
 人道合意実施委員会の事務局員は「小さい時からイスラムの教義を守ってきた。大統領がわざわざ来て、施行式を行っても特別な感情は起こらない」と語った。
 独立派学生組織「アチェ住民投票情報センター」のイリアスさん(二六)は「アチェ人は先祖の代からイスラム教徒で、イスラムの教えを実行してきた。中央からの押しつけのイスラム法など不要だ。大統領が来ると、兵隊の数が増える。兵隊がアチェにいる限り、アチェ人は幸せになれない」と訴えた。
 アチェではイスラム運動が激しくなった一九五三年に、イスラム急進派がイスラム国家建設を唱え反乱を起こした。当時のスカルノ政権は妥協策としてアチェを特別州とし、宗教、教育などにおける特権を与えた。
 シャリアー・イスラムとはイスラムの聖典コーランによって規定された法の体系。結婚、離婚、財産分与など世俗的な緒事象に対する規定にも具体的に言及している。
 大統領は?「完全な自治」を目指す?石油や天然ガス収入の配分をアチェに七五%、中央政府に二五%とする?ギャンブル、売春を禁止するなどイスラム法を尊重する│の三提案を就任直後に発表していた。

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