ホーム
2000年12月07日のトップニュース

自宅軟禁解かれ、再登庁

シャフリル中銀総裁

5カ月半ぶりに職場復帰

検察はバリ銀事件で起訴の構え

 ジャカルタ高等検察庁は五日、バンク・バリ事件で容疑者となったシャフリル・サビリン中銀総裁の自宅軟禁を解除した。シャフリル総裁は六日午前、妻のムルニさんや弁護士らとともに五カ月半ぶりに、タムリン通りの中銀に登庁。「私がいなかった間に起こった問題などを整理しなければならない」と記者団に語った。アンワル・ナスチオン上級副総裁ら五人の副総裁の辞任表明にからむ後任人事や、中銀法の改正問題が難航していることに加え、最高検が近く、同氏を起訴する方針であるなど、中銀問題は複雑化する様相を見せている。
 登庁前の六日午前、自宅前で民放RCTIのインタビューに答えたシャフリル総裁は「神に感謝する。この五カ月半の間、職務中にはできなかった自身の健康管理などに専念できた。おかげで減量にも成功し、体調もずいぶんよくなった。本を読んだり、ものを書いたりする時間も持つことができた」とリラックスした様子で語った。
 バンクバリの債権回収をめぐる不正で、中銀総裁として謀議に加わったとされる容疑についてシャフリル総裁は「公判が公正に行われるならば、必ず無罪となるはずだ」と述べ、あらためて事件関与を否定した。
 アンワル・ナスチオン上級副総裁らの辞任表明に端を発する、中銀法の改正問題について「改正は可能だ。施行後一年ほどで改正をするというのもおかしな話だが、中銀法には不十分な点もあるかもしれない。どの点を改正すべきかは、私も草案作成にかかわったので、どうこう言えない」と述べ、中銀法の改正には反対はしない考えを明らかにした。
 一方、最高検は四日にも、シャフリル総裁をジャカルタ地裁に起訴する予定だったが、「技術的な問題」を理由に延期した。マルズキ検事総長は、国会の特別委員会の調査結果と検察の捜査結果に大きな食い違いがあると明らかにし、「特別犯罪担当検事に対し、捜査結果の再評価を行うよう命じた」と述べた。ところが、六日には「近々、起訴する予定だ」との方針をあらためて表明した。
■中銀法改正に政党の思惑
 中銀法はハビビ政権誕生直後に準備を始め、一年後の一九九九年五月に施行された。スハルト時代は、中銀の流動支援問題に象徴されるように「ツルの一声」で大統領の金融政策への介入があったことを反省し、強固な独立性を保持しているドイツ中銀を参考に、現在の中銀法がまとめられたとされる。
 その際、役員人事については国会の承認が必要という新条項が盛り込まれた。トップ人事を議会がチェックすることで、行き過ぎた独立に歯止めを利かせようとしたのが狙い。
 しかし、スハルト政権時代から居残る数少ない高官であるシャフリル総裁の辞任を迫るアブドゥルラフマン大統領と、辞任を拒否するシャフリル総裁の確執が一年近く続き、副総裁五人が辞任するなど中銀トップ人事は混乱の極に達した。
 この機を待っていたかのように、トップ人事の承認権を持つ国会の一部政党が、シャフリル解任を狙って中銀法の改正を提示してきた政府に対抗し、政党関係者も副総裁になれるような法改正を求め、ラクサマナ元投資国営企業開発担当相(闘争民主党)やクウィック・ギアン・ギー元調整相(同)らが、副総裁候補に名乗りを上げるという複雑な展開を見せている。
 シャフリル総裁は六月五日に容疑者に断定され、同月二十一日に逮捕。二度の拘留延長を受けた後、九月二十二日から自宅軟禁となっていた。

Copyright © 2000 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
All Rights Reserved.