ホテルの密室でのスハルト一家との取引や、食糧調達庁を舞台にした詐欺事件に、大統領が不正に関与していた疑いが次々と暴露される中、国会の主要五会派の議員百五十一人が二十九日、大統領を弾劾に追い込む手続きの第一段階として、政策改善の意見書を決議するようアクバル・タンジュン議長に提案した。「断食休戦」の呼びかけにもかかわらず、大統領批判の声が高まり、アクバル・タンジュン議長も一連の疑惑の解明に前向きの姿勢を示すなど、大統領への国会の圧力は強まっている。
政策改善の意見書を求める提案に賛成したのは、大統領の党である民族覚醒党を除く、闘争民主党の四十七人、ゴルカル党三十七人、開発統一党二十二人、改革会派三十四人、月星党十人、信者主権連合会派一人の議員百五十一人。
それによると、@共産主義禁止を定めた国民協議会決議の撤廃発言A国会の承認なしで行われたルスディハルジョ前国家警察長官の解任Bスハルト元大統領と家族、クローニー(取り巻き)の刑事訴追をおろそかにしていることCラクサマナ前国務相など経済二閣僚の一方的な解任Dメガワティ副大統領に約束した業務委譲の不履行Eイリアンジャヤ独立派への独立旗の掲揚容認−など、大統領は、憲法や国民協議会決議に違反する政策を繰り返し、今日の政治危機の原因をつくってきたとしている。
国会は、この提案について、四日の本会議や運営委員会で審議したあと、大統領に対する第一段階の不信任決議ともいえる政策改善意見書をまとめるか否かを決定することになっている。
もし、決定された場合、国会は政策改善意見書を大統領に突き付け、大統領は三カ月以内に回答する義務がある。
国会はさらに二回目の意見書を提出することができる。その場合、大統領の回答期限は一カ月。回答に改善がなければ、国会は特別国民協議会の開催を請求し、大統領の弾劾決議を求めることが可能となる。
「いっさい事実でない」
三十日、大統領は風邪のため、定例の閣議を早めに退席した。記者団に囲まれた大統領は、食糧調達庁詐欺事件で大統領がもみ消し工作を図ったとするルスディハルジョ前国家警察長官の証言に関する報道について「まったく事実ではない。この件は特別委にやらせておこう」とだけ語った。
大統領与党の民族覚醒党のムハイミン・イスカンダル幹事長は「意見書提出で大統領を解任することはできない。重大視する必要はない」と強調した。同党は四-六日のオープンハウスで広く国民の意見を聴くと発表、大統領支持を世論に働きかける構えだ。
これに対し、アクバル・タンジュン議長は「大統領に辞任は求めない」としていたこれまでの態度を変化させ、政権発足一年を過ぎ数々の失点が吹き出したアブドゥルラフマン政権に是々非々の立場を取り始めた。
ルスディハルジョ前長官の重大証言について、アクバル議長は「特別委の調査で大統領の関与が明らかになれば、国会は裁判を要求する。有罪が確定すれば、特別国民協議会の開催を請求する正当な理由となる」と語り、事件の展開によっては、大統領の弾劾もあり得ることを示唆した。(2000年12月1日掲載)
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