アブドゥルラフマン大統領に突然解任されたルスディハルジョ前国家警察長官は二十八日、大統領の関与が疑われている食糧調達庁詐欺事件を調査する国会特別委員会で証言した。前長官は大統領の事件関与ともみ消し工作という、核心に触れる証言をしたとみられる。インドネシア各紙は議会筋の情報として、大統領自身が親しい女性に小切手五十億ルピアを贈り、その隠ぺい工作をした疑いがあるとの暴露記事を掲載している。また、国会は大統領に政策の改善を求める意見書提出の動議をアクバル・タンジュン議長に提出した。トミー氏との裏取引疑惑も含め、疑惑まみれの大統領に対する包囲網がにわかに強まっている。
バクティアル・ハムサ特別委委員長はルスディハルジョ前長官の証言について「非常に重要な証言で、委員会の仕事は八割方終わった」と述べた。
証言内容は公式には明らかにされていないが、各紙の報道によると、大統領はスマラン在住の女性実業家で大統領と親しい関係にあるシティ・ファリカさんに五十億ルピアを贈ったという。
さらに、ファリカさんのビジネスパートナーであるアリス・ジュナイディさんから小切手が送られたように見せかけるため、ルスディハルジョ前長官に工作を指示。大統領は「事件が政権を揺るがすことのないよう注意するように」と、捜査に手心を加えるよう前長官に命じた。
こうした情報も含む捜査書類は公式文書としてメガワティ副大統領に手渡されたという。
前長官はまた、大統領の命令を受け、ファリカさんに国家警察へ納入する靴を発注させた。この取引でファリカさんに三億ルピアから四億ルピアが支払われたが、大統領は「金額が少な過ぎる」と不満を漏らしたという。
これらの証言を重視した国会特別委員会は、来年一月、大統領とスオンド容疑者から事情を聴く。
二人を国会証人として喚問するのは手続き上、困難なため、同委は大統領に書面での回答か、大統領官邸に同委が出向いて事情を聴くことを求めている。
スオンド容疑者からは警視庁の拘置所で事情を聴く予定。また、捜査書類を受け取ったとされるメガワティ副大統領も喚問する意向を示している。
調査は一月に完了する予定。同委は調査結果を受け、検察当局に刑事事件としての捜査を請求できる。
事件は食糧調達庁職員福祉財団からサプアン同庁前副長官が三百五十億ルピアを引き出し、大統領の代理人を名乗るマッサージ師スオンド容疑者に渡した。
三百五十億ルピアはその後、闘争民主党幹部のスコ・スダルソ氏(百五十億ルピア)、スオンド容疑者の妻テティ・スナルティさん(百億ルピア)、同容疑者のビジネスパートナーのレオ・プルノモ氏(五十億ルピア)、シティ・ファリカさん(五十億ルピア)の四人に渡った。
大統領の関与は取りざたされていたが、大統領から直接、金が流れたとの証言が出たのは初めて。捜査を指揮した国家警察の長官の証言なので、これは事実上、警察の捜査結果でもある。
一方、ゴルカル党、闘争民主党など六会派の国会議員は二十九日、百五十一人の署名を集めた意見書提出の動議をアクバル議長に提出した。動議は来月四日の本会議で討議する予定。国会は、こうした意見書を三回提出すると、大統領の解任ができる特別国民協議会の開催を請求することができる。(2000年11月30日掲載)
Copyright ゥ 2000 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
All Rights Reserved.