経済再建を目指すインドネシアの輸出促進のため、日本政府が実施してきた緊急融資制度について日本国際協力銀行(JBIC)はこのほど、インドネシア大蔵省とインドネシア輸出銀行(BEI=実施機関)との間で、地場銀行との協調融資制度を導入するとともに、融資の手続きを大幅に簡素化、融資対象に下請け業者も含めるなど、より柔軟な制度に改める協定を結んだ。新制度により、日系合弁企業も含むインドネシアの輸出業者は融資を一層受けやすくなる。輸出促進を狙った日本の支援が、効果を発揮することになりそうだ。
この緊急融資制度は、一九九八年、アジアの金融危機を支援するために打ち出された宮沢プランの一環。総額十億ドルの融資は、インドネシアの輸出関連業者と日系の合弁企業にも適用される。実施期間は五年間。
また、日系の合弁銀行も輸出業者に対するローンの貸し手、あるいは協調融資銀行としてインドネシア輸出銀行から融資を受けられる。
これまでの制度では、インドネシア輸出銀行が指定した地場銀行を通じてのみ輸出業者に融資するというリファイナンスの形をとっていた。
しかし、大口融資規制などで地場銀行が融資をしぶる傾向があるため、輸出業者の要望も取り入れ、インドネシア輸出銀行から直接、輸出業者に融資する制度を新たに導入した。
また、この改定で、申請時に義務づけられていた貿易信用状(L/C)などの提出義務を緩和。輸出業者は輸出の記録などを提出。融資実行のあと輸出エビデンス(証拠書類)を提出すればよい。
同時に、運転資金の融資を受けやすくするため、輸出エビデンスではなく、輸出計画書に基づくクレジットライン(融資枠)方式を新たに導入する−など申請手続きの条件を緩めた。
また、融資の対象も、外貨を直接稼ぐ輸出業者に限られていたが、輸出業者に部品や原材料を提供し、輸出を間接的に支える国内業者にも適用する。
また外貨を直接稼ぐサービス業者、例えば航空や船舶輸送会の整備、修理事業や、石油・鉱山開発会社などの下請け会社で、その石油製品の輸出を支援する業者も対象となる。
インドネシア輸出銀行アドバイザー(国際協力事業団=JICA=専門家)の梅田忍さんは「手続きが簡素化されただけでなく、融資の対象を輸出事業者とその下請け、外貨を稼ぐサービス部門へと広げ、さらに運転資金もクレジットライン方式の導入で、利用しやすくなった。
地場銀行の貸し渋りが一般的な情勢なので、日系の合弁銀行にこの制度を活用してもらい、地場銀行との協調融資で、インドネシアの輸出産業を支援することができる。また、金融再編の嵐の中で、地場の銀行もこの制度を活用し、融資を活発化することも可能となる。インドネシアの経済再建のカギは、なんといっても輸出促進だ。この緊急融資を活用し、輸出をさらに伸ばしていただければ」と語っている。(2000年11月28日掲載)
クレジット・ライン方式
輸出計画のエビデンス(証拠書類)に合わせて融資額を決める方式でなく、あらかじめ融資枠を決め、この枠内で必要に応じて融資する方式。
インドネシア輸出銀行
昨年八月、インドネシアからの輸出促進を目的に政府の一〇〇%出資で設立された。日本輸出入銀行がモデル。バンバン・ヘンドラシティ頭取によると、十一月現在の融資実績は、三百四十七の輸出業者に対し、四・四兆ルピア(ドル換算分も含む)。
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