イ開発製品、世界40カ国へ 大容量インクタンク浸透 Lシリーズ2代目発表 エプソン

 情報関連機器大手セイコーエプソンの現地法人エプソン・インドネシア社は24日、新型インクジェットプリンター「Lシリーズ」の2代目となる新商品4機種を発表した。大量印刷するオフィスのニーズをくみ取り、インクカートリッジから、大容量のボトル詰め替え式をインドネシア市場向けに設計して2年。新興国を中心に40カ国に輸出する人気商品となり、「インドネシア向け」から「インドネシアから世界へ」と新モデルのさらなる浸透を目指す。(リアウ諸島州バタム島で配島克彦、写真も)

 発表したのは、単機能プリンター「L110」「L300」、コピー、スキャン機能も搭載した多機能プリンタ「L210」「L350」の4機種。2010年、現法設立10周年と合わせて投入したLシリーズの2代目で、価格は139万9千―209万9千ルピア。
 70ミリリットル入りの大型ボトルは黒1本が6万9千ルピアで4千枚、カラー3本は計20万7千ルピアで6千500枚を印刷。1枚当たりのコストはそれぞれ20、35ルピアに押さえた。印刷時間は旧製品比2―3倍に引き上げ、L350ではA4サイズ千枚を1時間50分で印刷できる。
 Lシリーズは、インドネシアの消費者の声に耳を傾け、設計した同社初のインドネシア産。同シリーズ投入当初、インクジェットプリンター市場のシェアは26・1%だったが、今年第二・四半期には2位の32・1%へと拡大。エプソン・インドネシア社の平崎道也社長は「大容量のインクタンク搭載型が少しずつ認知されるようになった」と手応えを語る。
 インドネシアでは、純正の互換インクカートリッジは高価とのイメージが根強く、新製品でも改造し、安価なサードパーティの外付けインクタンクを接続する業者も多い。本体は安価に設定し、インクカートリッジで収益を得るビジネスモデルは成立しない。
 パンフレットなど販促物を印刷会社に発注するのではなく、プリンターで大量に印刷する企業が多い。印刷コストを下げようと、純正品ではないインクタンクを取り付けるが、印刷の質も悪く、本体も故障しやすいなどの問題が発生していることに着目した。
 また日本や欧米諸国のように、カメラや携帯電話で撮影した写真を印刷するという用途は、インドネシアをはじめとするアジア諸国では限定的と判断。家庭向けの機種も継続して販売しながら、伸びしろの見込めるオフィス向け機種に注力する方針を打ち出した。
 Lシリーズ2代目を発売するにあたり、リアウ諸島州バタム島のエプソン・バタム社は24日、同社工場に全国各地のメディア約50社を招待。真空インクタンクの製造過程の見学を通じ、純正品の質の高さをアピールした。
 同社の太田賢次社長によると、91年の設立以来、同工場を公開するのは初めて。同工場ではインクカートリッジやボトルのほか、ICなども製造している。

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