世界ジオパーク認定へ 観光振興に期待の声 ロンボク島リンジャニ 西ジャワ州プラブハンラトゥ

 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島のリンジャニ・ロンボク・ジオパークと西ジャワ州スカブミのチレトゥ・プラブハンラトゥ・ジオパークが、貴重な地質や地形を持つ自然公園の「世界ジオパーク」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に認定される見通しとなった。インドネシアでは3、4カ所目。国際的なアピールにつながるとして、観光振興へ期待がかかっている。

 リンジャニ、プラブハンラトゥの両ジオパーク関係者によると、フランス・パリで12日に行われたユネスコの審議で、両ジオパークを認定することを決めた。ユネスコの執行委員会が17日に最終決定する。
 リンジャニ・ロンボク・ジオパークは、標高3726メートルの火山、リンジャニ山を中心とした2800平方キロメートル。中腹にあるスガラアナック湖やカルデラ、噴火口、温水の湖、滝など変化に富んだ地形が特徴。2008年以降、世界ジオパークへの認定を目指してきた。
 同ジオパークの運営管理に携わるミスビハブ・ハラハ理事によれば、ジオパークの範囲は現在、ロンボク島のおよそ北半分だが、将来的に島全体をジオパークとして認定しようという動きもあり、今後も可能性を検討していくという。
 チレトゥ・プラブハンラトゥ・ジオパークは、インド洋に面する1261平方キロメートルに、数々の滝や丘、岩場、海の洞窟などの珍しい景観が広がる。海岸はサーフィンスポットとしても知られる。15年にインドネシアのナショナル・ジオパークに認定された。
 同ジオパークの管理に携わり、会議のためパリに入っているパジャジャラン大学のメガ・ファティマ・ロサナ教授は16日、「(認定されれば)ユネスコの加盟国全てにウェブサイトを通じて無料で宣伝されることになる」と観光促進への効果を期待した。
 インドネシアからはこれまでに、バリ島北東部のバトゥール・ジオパークと、ジョクジャカルタ特別州から東ジャワ州にまたがるグヌン・セウ・ジオパークの二つが世界ジオパークに認定されている。今回認定されれば、国内のジオパークは計四つとなる。
 このほか、北スマトラ州のトバ湖を中心とするトバ・カルデラ・ジオパークも現在、ユネスコへ申請している。
 ただ、世界ジオパークは4年に1度の再審査が行われるため、1度認定された後でも、管理の不備などが指摘された場合、認定が取り消されるケースがある。(木村綾)

  ユネスコ世界ジオパーク 地層、岩石、地形、火山、断層など、地質学的な遺産を保護し、研究に活用する事業。ユネスコの支援で2004年に発足した民間団体が審査・認定していたが、15年にユネスコ正式事業に格上げされた。自然と人間とのかかわりを理解する場所として整備し、科学や防災教育の場とするほか、新たな観光資源として地域振興に生かす目的。現在、35カ国の127カ所が認定されている。

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