パイプライン破損が原因 プルタミナ 原油流出を認める
東カリマンタン州バリックパパン湾の油流出と船舶火災で、国営石油ガスのプルタミナは4日、記者会見を開き、自社の海底パイプラインが何らかの原因で破損し、原油が大量に漏出したことを認めた。会見には同州警の捜査責任者も同席した。地元メディアが報じた。
同社は先に独自調査の結果として、流出した油の種類を「船舶用燃料」と発表し、パイプラインからの原油流出の可能性を否定した。
この調査結果を訂正する形になった理由については、「(同湾の)9カ所から採取した油の分析結果は『船舶用燃料』だった。しかし、その後に他の1カ所から原油が見つかったため、ダイバーを使ってパイプラインを調べたところ、破損が確認された」と釈明した。流出した原油の量は調査中という。
パイプラインは深さ20〜25メートルの海底に敷設され、同湾岸の製油所まで続いている。所定位置から約120メートルずれており、何らかの強い力が加わったとみられる。
パイプ自体の直径は50センチで、肉厚は1.2センチ。腐食防止と補強のため表面はセメントで覆われている。1998年に敷設され、約5年おきに定期点検されてきた。耐用年数は約40年という。
パイプラインから原油が流出したバリックパパン湾では3月31日、船舶3隻を巻き込む大規模火災があり、5人が死亡した。原油の汚染面積は12平方キロを超え、バリックパパン市などでは悪臭のため健康被害を訴える住民が続出している。