妻におしゃれなヒジャブを キャリア40年 イタン・ユナス氏 (2018年03月31日)

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 中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)で開催中のインドネシア・ファッション・ウイーク(IFW)。29日には、ムスリムファッションショーが開かれ、約40年のキャリアを持つ国内有名インドネシア人デザイナー、イタン・ユナスさん(59)が参加した。「気軽に買えるおしゃれなヒジャブ」が国内で少なかった時代から、道を切り開いてきたイタンさんに話を聞いた。
 イタンさんは1980年、世界レベルのデザインを学ぼうと単身でイタリア・ローマへ渡った。有名イタリア人デザイナーのレナート・バレストラのもとで、デザイン、服作りの基礎を学んだ。81年、女性誌フェミナ主催の国内で権威あるファッションデザインコンテストで2位に入賞。同年、自身初のブランド「イタン・ユナス」を立ち上げた。その頃イタンさんが手掛けていたのは、イタリアなどのデザインをベースにしたセクシーなドレス。体のラインが強調される服ばかりで、ムスリムファッションとは全く違うスタイルだった。
 イタンさんがムスリムファッションに転換したのは2000年。娘の出産を機に、ヒジャブをかぶると言い出した妻から「パリやミラノにあるようなおしゃれなヒジャブを作って」と頼まれたのがきっかけだった。
 イタンさんによると、当時ヒジャブというと黒色だけなど一色のみを使ったシンプルなものが多く、デザインや形も多様ではなかったという。「当時は国内で、流行を取り入れつつ、安価な値段であるヒジャブはなかった」。
 自分のデザインしたヒジャブをかぶった妻が多くの友達にどこで購入したのか聞かれるようになり、国内での高い需要にあらためて気付いたという。以来、娘の名前「カミラ」をブランド名に新たなブランドを立ち上げるなど事業を拡大、現在では九つのムスリムファッションブランドを手掛ける。
 イタンさんは、世界におけるムスリムファッションについて、「ドルチェ&ガッバーナなど世界的に有名なブランドがヒジャブコレクションを行ったり、米国の博物館でムスリムファッションの展示会が開かれたりと無視できない巨大マーケットになっている」と話す。
 しかし、現在の国内におけるファッション業界にはいくつかの問題点があるという。「近年では、良い意味でも悪い意味でもムスリムファッションの若手デザイナーに対して、門戸が開かれすぎている。勉強不足なデザイナーが多いように感じる」と指摘した。
 さらに「人材育成も含め、シルク素材を輸入品に頼っているなど業界の問題を政府は全く見ていない。ムスリムファッションの市場価値を理解し、本当の意味で支援してくれるよう期待したい」と話した。
 インドネシア・ファッション・ウイークは1日まで。会場ではイタンさんの服を扱うブースも並ぶ。入場料は2万5千ルピア。(上村夏美、写真も)

娘の名前をブランド名にした「カミラ」の新作が披露された
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ブランド名にもなっている娘のカミラさん(左)とイタンさん
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全身バティック(ろうけつ染め)の新作に身を包むモデル
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バティックのチュニックが披露された
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29日夜のショーには、スシ・プジアストゥティ海洋水産相が登場し、ランウェイを歩いた=IFW提供
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