2年ぶりのパレード グロドックで元宵節

 イムレック(春節、中国正月)の締めくくりとなるチャップ・ゴ・メ(元宵節)に合わせた文化イベントが3、4両日、西ジャカルタ区グロドックを中心に開かれた。2017年は同州知事選直前で、デモなどの混乱を避けるため開催を見合わせたが、ことしは16年同様に盛大なパレードがあり、華人街グロドックは人で埋まった。

 同イベントはインドネシア華人協会(INTI)が主催。4日には、西・中央ジャカルタにまたがるガジャマダ、ハヤム・ウルック両通りでパレードが実施され、道路は午後1時〜同6時ごろまで閉鎖された。
 登り龍やバロンサイ(獅子舞)、神輿(みこし)、ジャカルタ土着のブタウィの厄よけ人形オンデル・オンデル、マーチング・バンド、各地の伝統衣装を着た参加者らが約3.5キロを練り歩いた。歩道橋の上や道沿いは、家族連れであふれかえった。
 17年の元宵節(2月11日)は、ジャカルタ特別州知事選の選挙運動最終日と重なり、華人であるバスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)元知事の再選阻止を訴える、大規模な合同祈とう集会が開かれた。集会会場のイスティクラル・モスク(中央ジャカルタ)付近にはムスリム約7万人が集まり、混乱を避けるため元宵節のイベントは取りやめになった。
 2年ぶりのパレードを見物するため、中央ジャカルタのサワ・ブサール地区から家族4人でグロドックを訪れた華人のアメリアさん(25)は「昨年は知事選前にデモが続いた。混乱を避けるためと分かっていても、華人の大イベントの一つが開催されず残念だった。ことしは皆で楽しむことができて、本当に良かった」と笑顔で話した。
 3日にはアニス・バスウェダン知事とサンディアガ・ウノ副知事も足を運び、バロンサイの演舞などを鑑賞。同知事は「8月にはアジア大会が開幕する。華人街もジャカルタの観光地の一つとして発展させたい」と意気込み、「ジャカルタは、中国文化を含む全ての伝統文化を守り育んでいける場所であってほしい」と続けた。
 ジャカルタ最古の中国寺院「金徳院」などがある華人街グロドックは1998年のスハルト政権崩壊直前、華人を標的にした暴動で略奪や放火の標的になった歴史を持つ。またインドネシア最大の電気街としても栄えたが、オンラインショッピングやモールの乱立、渋滞悪化などで客足が激減し、再開発が進められている。(毛利春香、写真も)

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