口ずさみ、歓声も JIエキスポ ジャワ・ジャズ大盛況
インドネシア最大の音楽イベント「ジャカルタ国際BNIジャワ・ジャズ・フェスティバル(ジャワ・ジャズ)2018」が2〜4日、中央ジャカルタ区クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で開かれた。国内外のアーティスト約110組が多様なジャンルの音楽を奏で、多国籍の観客が集まった。
2日夜は、米国人ベテラン歌手で女優のヴァネッサ・ウィリアムスさんが登場。代表曲の「セイブ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」やディズニーアニメ映画の主題歌で、アカデミー賞のベスト・オリジナル・ソング賞にもなった「カラー・オブ・ザ・ウインド」などおなじみの懐かしい曲が披露され、曲を口ずさむ観客も多かった。20年間共に演奏してきたバンドのうち、父親が西ジャワ州バンドン出身というメンバーを紹介すると、会場からは歓声が起こった。
大阪からやってきたバンド、ネイバーズ・コンプレインは3日の野外ステージだったが、暑い中でも多くの観客が集まった。西ジャワ州ブカシ県在住の会社員フランシスカさん(40)は「日本語の曲は、言葉の意味がわからなかったけれど音楽は世界共通だから会場はとても盛り上がっていた」と話した。
R&B歌手のトンピさんやグレン・フレドリーさんなどのベテラン同士のコラボも盛り上がった。
同日夜には、注目ゲストのカナダ出身R&B歌手ダニエル・シーザーさんが登場。若者を中心に多くの観客が押し寄せた。ダニエル・シーザーさんは「これがアジアでの初公演です」と話し、観客を沸かせた。
また、会場内ではセルフィー(自撮り)を楽しむ人も。「ジャワ・ジャズ」の看板には、記念写真を撮るために行列ができていた。南ジャカルタ区在住の公務員エガ・ノファニタさん(22)は「インスタグラムにたくさん投稿したよね」と友だちと話しながら笑った。(上村夏美、写真も)
■思った以上の観客
3日に全8曲のステージを代表曲「テリマカシ」で締めくくった加藤ひろあきさんは「思った以上に観客がいっぱいでびっくりした。日本人や欧米の人もいて一緒に楽しんでくれ、手応えを感じた。やってきたことは間違ってないんだなと自信になった」と話した。
マレーシアで毎年5月にあるジャズの若手発掘を目的としたイベント「ワールド・ユース・ジャズ・フェスティバル(WYJF)」を2012年に創立したニック・A・アズミ(66)さんは「彼のことを知り、実際に見に来た。インドネシアに拠点を移しても日本の本来の姿を忘れずに活動する姿は、世界に発信しうるとても良いストーリー。来年はぜひクアラルンプールに連れて行きたい」と感激した。(中島昭浩)