ネットで憎悪扇動 フェイスブックを改ざん 「サラセン」の リーダー初公判 (2017年12月30日)

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 アホック元ジャカルタ特別州知事やジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の誹謗(ひぼう)中傷など、SARA(民族、宗教、人種、階層)に関わるヘイトスピーチ(憎悪表現)やでっち上げの情報をフェイスブックなどで拡散していたとして、情報・電子取引法(ITE法)違反の罪で起訴されたネット集団リーダーの男の初公判が28日、リアウ州プカンバル地裁であった。集団は反アホック派の依頼を受け、憎悪扇動することで報酬を得ていた疑いがある。2019年の大統領選に向けた攻防が加速する中、「憎悪産業」をいかに取り締まるのか、公判の行方に注目が集まる。

 起訴されたのは、中世ヨーロッパでムスリムやアラブ人を指す「サラセン」を名乗るネット集団のリーダー、ヤスリアディ被告(32)。被告はジョコウィ氏の政敵であるプラボウォ・グリンドラ党党首への支持を公言しており、政治的動機があったとの見方が出ている。
 初公判で検察側は「被告は意図的かつ違法に、インターネットの情報を操作し、でっち上げ、改ざん、消失、破壊し、その情報が正しいかのように見せようとした」と指摘した。
 起訴状などによると、同被告は他人の住民登録証(KTP)を無断で改ざんし、個人所有のフェイスブックアカウントに不正アクセスし、「この国に正義はあるのか」などと3回投稿した。有罪になれば、最大で禁錮9年が科せられる。次回公判は1月4日で、弁護側が抗弁する予定。
 地元メディアによれば、集団は全国各地に支部を持ち、15年11月以降、フェイスブックページやウェブサイトに情報を投稿。依頼人から金を受け取り、投稿者を雇って組織的に憎悪表現を拡散していた。ソーシャルメディアのフォロワーは計80万人に上り、ウェブサイト開設に1500万ルピア、投稿者15人に月4500万ルピアなどの報酬が支払われていたとの報道もある。
 イスラム強硬派の強い抗議を受けたアホック氏はジャカルタ特別州知事選に敗れ、5月、宗教冒とく罪で禁錮2年の実刑判決を受けた。警察は7〜9月、ヤスリアディ被告を含む「サラセン」のメンバー男女5人をITE法違反の疑いで逮捕した。
 ジョコウィ大統領はでっち上げや不寛容行為を厳しく取り締まる方針だ。「サラセン事件」の容疑者逮捕後の8月下旬にも、ブロガーらをイスタナ(大統領宮殿)に招き、虚偽の情報について協議するなど対策に乗り出している。(木村綾)

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