「パプア独立のため戦闘」 CNN報道 武装組織、「人質」は否定

 米系鉱山フリーポート・インドネシアの拠点があるパプア州の村を武装集団が占拠した事件で、CNNインドネシアは、関与を指摘されている分離独立派武装組織・自由パプア運動(OPM)幹部の電話インタビューに成功し、その内容を15日に詳報した。それによると、幹部は「(西パプアの)主権を取り戻すため、軍・警察と戦っている」と話し、村付近に戦闘員を展開していることを認めた。

 同幹部は、OPM作戦司令官のヘンドリック・ワンマン氏。
 交戦地域に近い同州ミミカ県トゥンバガプラ付近で、村民約1300人が人質になっているとの当局発表、報道については、「村民は弾に当たるのを恐れて出歩かないだけ。われわれは人質を取ったことはなく、間違った情報だ」と否定した。その上で「耕作や家畜の飼育、村から村への移動、売り買いなど普段通り自由にできる」と付け加えた。
 事件現場となっているトゥンバガプラは、フリーポートが運営する世界最大級のグラスベルグ鉱山のふもとにある町。
 パプア州警によると、町周辺では8月17日以降、フリーポート関係者が乗った車を狙った発砲事件が発生。警察や軍が警備を強化する中、捜査中やパトロール中の警察官を狙った犯行も相次ぎ、15日までに警察官2人が死亡、少なくとも12人が負傷した。
 15日未明にはパトロール中の機動隊員2人が撃たれ、1人が死亡、1人が重傷を負った。ヘンドリック氏は15日の事件について「OPMが警察官を撃った。西パプアの人々の権利を取り戻すため、フリーポートのエリアで戦争を続ける」と犯行を認めた。
 パプア州警察の発表では、トゥンガプラ周辺の3村が5日から武装グループに占拠され、住民1300人が「人質」となった。グループはその後、道路作業員を脅して村々へ通じる道路に穴を掘らせており、車両による村へのアクセスが遮断されている状況という。孤立状態が長引き、食料が尽きてきたとの報道もある。
 警察は先に、武装グループの一部メンバー21人の名前などを公表したが、OPMとの関係は分かっていない。国家警察のスティヨ・ワシスト報道官は地元メディアに対し、「負傷者を出したくないので、説得による解決を引き続き目指す」と述べている。(木村綾)

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