ATM9500台に障害 BCAは30% テルコムの衛星不具合

 国営通信テルコムが所有する通信衛星テルコム1に不具合があり、全国約9500台の現金自動預払機(ATM)での取引ができなくなった。各行は同社の他の衛星テルコム3Sなどを利用し、サービス復旧を進めている。25日夕方の発生から3日経過した28日でも障害は続いている。
 テルコムによると不具合は25日午後4時51分に起きた。ポインティング機能が正常に動作しなくなった。 
 復旧作業では、1999年に運用を開始したテルコム1のトランスポンダ(電波中継器)の利用者を、同社のテルコム2、3Sや他社の通信衛星に移す。移行は30日までかかる見込み。並行して9月10日までに地上で電波を受ける超小型地球局(VSAT)との再接続作業を進める。 
 国立航空宇宙研究所(LAPAN)の衛星技術担当者によると、ポインティング機能は地球のある地点を見る望遠鏡のようなもの。障害が起きた場合は位置がずれ、正常な通信ができなくなる。 
 ATMに大きな障害が発生した銀行は、民間大手セントラル・アジア(BCA)、国営マンディリ、同ヌガラ・インドネシア(BNI)、同ラクヤット・インドネシア(BRI)の4行。他に同タンブンガン・ヌガラ(BTN)銀なども影響があった。ネットバンキングなどオンライン上の取引に問題はない。 
 最も被害が大きかったBCAは全国1万7210台あるATMのうち、30%に当たる5700台に障害が出た。他の通信衛星への移管を進め2〜3週間以内の復旧を目指す。 
 障害の補償として、他のATMからの引き出し手数料を9月8日まで無料にする。手数料は1回7500ルピアで、復旧・補償費として500億〜700億ルピアを用意する。ソーシャルメディアでは同行の約7割のATMが使用できないとの情報が出回ったが、ヤフヤ・セティアトマジャ頭取は「障害が起きたのは30%だけ」と否定した。 
 マンディリ銀は障害があった2千台の復旧を進め、28日時点で496台を残すのみ。BCAと同様の手数料無料にする予定。 
 一方、BRIは昨年6月に運用を始めた自社保有衛星BRIサットに通信を移管していたため、障害が起きたATMは約2万5千台のうち1・3%にあたる321台のみだった。(中島昭浩)

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