ジブリ展の模型 大きさ日本の倍以上 きょうから映画上映
スタジオジブリ作品の模型や原画などを展示する「ザ・ワールド・オブ・ジブリ・ジャカルタ(大ジブリ展)」が10日にソフトオープンした。インドネシアの製作会社が手作りした模型は、過去に日本で開かれた展示の2倍以上の大きさで迫力満点。今後、作品中のキャラクターを登場させるビデオマッピングを始めるなど、趣向を凝らした仕掛けにも注目だ。
ジブリ展の会場は、南ジャカルタ・パシフィックプレイス4階にあるホテル・リッツカールトンのグランド・ボールルーム3部屋。12日からはモール内の映画館「CGVブリッツ」で作品上映が始まる。
模型はデザインや建築を学んだジブリの愛好家9人が中心となって製作。スタジオジブリからのデザインコンセプトをもとに、ジャカルタ特別州、東ジャワ州スラバヤ、西ジャワ州チルボンの製作会社8社と作り上げた。
同展プロダクション・コーディネーターを務めるジュリウス・サラカさん(49)は「ハウルの城は大砲が動いたり、煙を吐き出したりする。日本の原案をもとにインドネシアの製作者が考え出したアイデア」と胸を張る。17日からは、「もののけ姫」の舞台、神々の住む森を再現したエリアに、ビデオマッピングで「シシ神」や「こだま」を登場させる予定。
ジュリウスさんによると、日本の展示に比べ模型の大きさは2倍以上。「ハウルの動く城」は高さ8.5メートルに達する。
11日現在の展示物の完成度は70%ほど。17日には全て完成する見通しで、営業時間が終わった午後10時から翌朝まで製作に当たっている。
特に「天空の城ラピュタ」に登場する飛行戦艦「ゴリアテ」の製作がピークを迎えており、ジュリウスさんは「ゴリアテの模型は長さ9メートル、幅2.5メートル、高さが4メートル。再現度の高い物を作るために一丸となっている」と話す。「魔女の宅急便」「となりのトトロ」に登場する家の製作作業も佳境で、完成すれば中に入ることもできる。
ジブリ展は10日に始まったが、原画や作画工程の展示、模型の一部は未完成。このため、チケットの予約購入者のみが入場でき、再入場チケットが渡される。当日券の販売は、正式オープン予定の14日から閉幕の9月17日まで。営業時間は午前10時〜午後10時。
チケットは、モール3階にある専用ブースで購入できる。平日は1人30万ルピア、週末は同35万ルピア。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の会員証提示で10万ルピア、2〜11歳と学生、65歳以上は5万ルピアの割引を受けられる。
12日の上映作品は、午後3時15分からが「千と千尋の神隠し」、同7時からが「となりのトトロ」。(中島昭浩、写真も)