ワッツアップで予約 旅券申請を迅速化 首都圏・ジャワ 入管26カ所導入
インドネシア人のパスポート申請を対話アプリ「ワッツアップ」で事前に予約できるサービスが8日までに、首都圏やジャワ島各地を中心に26カ所の入国管理局で始まった。手続きの迅速化や代行業者らの不正防止に期待がかかる。
地元メディアによると、サービスは6月にリアウ諸島州バタム島で始まったのを皮切りに各地で展開、8日までにジャカルタ特別州や西ジャワ州ボゴール、ジョクジャカルタ特別州、中部ジャワ州など、申請が集中する26カ所の入管で導入された。
申請者が名前や生年月日、申請に行きたい日などを記載したメッセージを、各入管宛にワッツアップで送ると、予約番号や時間が返信される仕組み。必要な書類を持って、指定された時間の30分前までに入管に到着すれば、スムーズに申請できるという。
ただ、今後も申請者が入管に出向いて書類に記入したり、写真を撮ったりする手続きに変わりはない。
インドネシアでは2011年に、生体認証を活用したICチップ入りパスポートの発行を開始。その後、入管はパスポート申請者に対し、オンラインでの事前登録を受け付けるなど、迅速化への取り組みを続けている。
だが、一部の入管では依然として申請の列に長時間並ぶ必要があり、入管職員に賄賂を渡して手続きを早めてもらうケースや、手数料を取って申請を請け負う代行業者の存在が問題視されていた。
1日250〜400人の申請者が訪れるという中央ジャカルタ第1入管のタト・ジュリアディン・ヒダヤワン局長はコンパスコムに対し、アプリの活用で「特定の人たちによる不正の可能性を減らすことができる」と期待している。
職員の不正を減らし、手続きをスムーズにする目的で、行政手続きにアプリやウェブを活用する例は増えている。15年には運転免許証(SIM)の更新手続きをオンライン化。交通職員が水増しして徴収するケースが問題になっていた反則金は、16年12月にアプリを通じた支払いサービスが開始されている。(木村綾)