州知事選に向け始動 東・西・中部ジャワ 現・元閣僚ら出馬意欲

 2018年6月の統一地方首長選挙で実施される東ジャワ、西ジャワ、中部ジャワの各州知事選に向け、各政党が候補者選定に動き出した。3州で計9千万人と全国有権者の半数を占める選挙の動向は国政にも大きな影響を与える。早くも現・元閣僚や人気市長らの名前が取り沙汰されている。
■NUの組織票がカギ
――東ジャワ
 東ジャワ州知事選は、同州副知事として2期目を務めているサイフラ・ユスフ氏(52)が知事として出馬表明したほか、同州出身のコフィファ・インダル・パラワンサ社会相(52)が出馬するとの観測が高まっている。 
 同州は国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)発祥の地。同州議会では、NUを支持基盤とする民族覚醒党(PKB)が最多の20議席を保有している。 
 NUの青年団出身のサイフラ氏は出馬に向け、PKB州支部の支持を取り付けたとされるほか、他党にも公認を打診したと報じられている。 
 一方のコフィファ氏もNUの女性組織代表を務め、PKBや闘争民主党(PDIP)からの出馬が取り沙汰されている。2008年と13年に同州知事選に出馬して落選しているコフィファ氏にとって3度目の挑戦。「複数の政党からすでに承認を得た。大臣を辞任する用意もある」と出馬意欲を表明している。 
 民間調査機関4社が5〜6月に行った世論調査では、サイフラ氏が支持率トップで、同州スラバヤ市長のリスマ氏(55)とコフィファ氏が続いた。ただ、リスマ氏は21年までの市長の任期を全うする考えで、同知事選に「出馬しない」と明言している。
■現職首長らひしめく
――西ジャワ
 全国最大の有権者3300万人を抱える西ジャワ州では、人気首長ら多くの候補者の名前が取り沙汰され、候補者調整が難航しそうだ。これまでに、同州副知事で俳優のデディ・ミズワル氏(62)▽建築家で同州バンドン市長のリドワン・カミル氏(45)▽同州プルワカルタ県知事のデディ・ムルヤディ氏(46)▽スカルノ初代大統領の孫プティ・グントゥール・スカルノ氏(46)——が出馬意欲を示している。 
 調査機関インドバロメーターが5月に実施した世論調査では、リドワン氏が支持率28・6%でトップだったが、デディ副知事が18・8%、デディ・プルワカルタ県知事が11・5%と続き、まだ先の読めない状況にある。
■元閣僚が現職に挑む
――中部ジャワ
 中部ジャワ州では、調査機関ポプリセンターが5月に行った世論調査によると、再選を目指す現職のガンジャル・プラノウォ知事(48)が過半数の圧倒的な支持を得ている。昨年7月の内閣改造で解任になった同州出身のスディルマン・サイド元エネルギー鉱物資源相(54)が、対抗馬として浮上している。 
 スディルマン氏はユスフ・カラ副大統領の腹心。プラボウォ氏率いるグリンドラ党が擁立しジャカルタ特別州知事に当選したアニス・バスウェダン氏の州政移行チーム代表を務めており、グリンドラ党や福祉正義党(PKS)ら野党勢力を結集させたい考えだ。同時期に解任されたマルワン・ジャファル元村落・途上地域開発相(46)とペアを組み、与党PDIP所属の現職に対抗する構図も浮かび上がっている。 
 統一地方首長選は18年6月27日に投開票され、全国17州39市115県の首長を一斉に選ぶ。(木村綾)

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