テロ容疑者36人逮捕 カンプンムラユ 自爆事件以降 JADの構成員
ティト・カルナフィアン国家警察長官は20日、5月に発生した東ジャカルタ区カンプン・ムラユ・バスターミナルの自爆テロ事件以降、計36人を反テロ法違反容疑で逮捕したと発表した。いずれも同テロを実行した過激派組織ジャマア・アンシャル・ダウラ(JAD)の構成員とみられる。警察はレバラン(断食月明け大祭)前後のテロを警戒し、全国で過激派の摘発を進める。
ティト長官は逮捕した36人について、「カンプン・ムラユのテロに関連した者もいれば、関与していない者もいる。新たなテロ実行の可能性があった」と説明した。
カンプン・ムラユ自爆テロ事件の捜査で、実行犯の一人アフマッド・スクリ容疑者は、シリア滞在中のバフルン・ナイム容疑者と携帯電話で連絡を取り合っていたことが判明した。バフルン容疑者は現在、過激派組織イスラミック・ステート(IS)が「首都」と呼ぶ北部ラッカで戦闘に参加しているとみられる。
また2人の実行犯は、2010年のバンドン市チビルのテロ事件に関与したムハンマド・イクバル元受刑者が、自爆テロ要員として勧誘したコーラン朗唱グループの教え子だったことが分かった。同元受刑者は反テロ法違反で禁錮5年の刑期を終え、昨年釈放されたばかり。バンドン県チルニの自宅から、カンプン・ムラユで使われた手製爆弾と似た圧力鍋や爆発物、JADに関する書類などが見つかった。
国家警察対テロ特殊部隊(デンスス88)はカンプン・ムラユの自爆テロ直後、西ジャワ州バンドンとガルットで計5人を逮捕。その後、北スマトラ州メダンで3人、バンテン州セランで4人、中部ジャワ州クンダル県で2人、トゥマングン県で1人を逮捕した。
また17日には、西ヌサトゥンガラ州ビマ県ウォハ郡の通りで、爆弾テロを実行しようとした3人を逮捕。現場から手製爆弾を押収した。同グループのリーダー格、クルニアワン・ビン・ハムザ容疑者は「通りで爆弾を爆発させた後、警察署を爆破する計画だった」と供述しているという。
東ジャワ州スラバヤ市では19日、13〜14年、シリアでISの戦闘訓練に6カ月間参加したとされるサフルル・ムニフ容疑者を逮捕した。マラン県では同日、アグス・トリ・ムルヨノ容疑者を逮捕。同容疑者は、JAD指導者のアマン・アブドゥラフマン受刑者=反テロ法違反で禁錮9年、中部ジャワ州ヌサカンバンガン島に収監中=に後継者として指名されたザイナル・アンショリ容疑者=4月に東ジャワ州ラモンガン県で反テロ法違反容疑で逮捕=と共にIS支持を表明していた。
国家警察は、昨年のレバラン直前に中部ジャワ州ソロ市警本部で自爆テロ事件が発生しており、レバラン前後のテロを警戒している。(中島昭浩)