アンコット運転手が抗議 配車アプリの使用禁止訴え タンゲラン、バンドンで

 アンコット(乗り合いバス)の運転手数百人が8日、バンテン州タンゲラン市庁舎前などで、オンラインを使った配車アプリの使用禁止を訴えるデモを行った。抗議行動は同日深夜まで続き、市長が仲裁に入るなど、騒ぎが拡大。9日には西ジャワ州バンドン市にも飛び火し、アンコット運転手が大規模な抗議を行った。                                    
 配車アプリの台頭で、アンコットを利用する人が減少。デモに参加した運転手らは「オンラインの台頭で収入が減った」「家族を養えず離婚した」などと書かれたプラカードを掲げて、配車アプリの使用禁止措置を市に求めた。
 抗議行動は、運転手同士の過激な「直接対決」に発展。インターネットの動画投稿サイトには、投石で窓ガラスが割られたアンコットや自動車の映像や、アンコット運転手と配車アプリの運転手がにらみ合い、騒ぎになる映像が流れた。
 映像の中には、配車アプリ「グラブ」の運転手がアンコットに追突され、数メートル飛ばされたものもあった。国営アンタラ通信によると、追突された運転手は病院に搬送され、意識不明の重体という。グラブのインドネシア責任者、リツキ・クラマディブラタ氏は声明で「被害者の家族と連絡を取り合っている」と事態の深刻さを伝えた。
 状況が悪化の一途をたどる中、タンゲラン市のアリフ・ラハディオノ・ウィスマンシャ市長は8日夜、にらみ合う運転手らの前に立ち、「これ以上お互いを刺激し合わないように」と仲裁。タンゲラン市警のハリー・クルニアワン署長も「アンコット運転手と配車アプリ運転手の和平協定を結ぶ」と述べ、今回の騒動には双方に誤解があった▽タンゲラン市の安全を乱すような事態に陥った場合、法の下に従う――などと記載された共同の声明を作成、手打ちに乗り出した。
 一方、9日には、西ジャワ州バンドン市でも一部のアンコット運転手が抗議し、配車アプリ「ウーバー」などを狙い自動車の窓ガラスを割ったりした。これを受け、同市当局も「法の下、違法に操業している者に対し、厳格に対処する」との声明を出し、事態の収束を図った。(佐藤拓也)

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