現職の強制撤去批判 2候補「寄り添う州政」主張 初の公開討論会 ジャカルタ知事選

 ジャカルタ特別州知事選(2月15日投開票)の立候補者による第1回公開討論会が13日夜、南ジャカルタのビダカラホテルで開かれた。3組の候補者が、洪水や渋滞など首都の課題をめぐり論戦を繰り広げた。 

 公開討論会は同州総選挙委員会(KPU)が主催。知事候補として出馬中の現職アホック氏(50)、ユドヨノ前大統領の長男アグス・ハリムルティ・ユドヨノ氏(38)、前教育文化相アニス・バスウェダン氏(47)と副知事候補3人の計6人がそろう、初めての討論会となった。
 これまでテレビ局主催の討論会への出席を避けていたアグス氏は、初の討論会で貧困撲滅や雇用創出の必要性を主張。父ユドヨノ氏が大統領だった2008年、石油燃料値上げに伴い始めた、貧困層への直接現金給付制度(BLT)を実施し、1世帯あたり年間500万ルピアを支給すると掲げた。
 アホック氏は汚職のないクリーンな行政の実行を主張。現金給付は市民にとって教育的ではないとアグス氏のプログラムを批判した。アニス氏は雇用創出や教育の普及、麻薬の撲滅を唱え、知事は正直で礼儀正しくあるべきだと訴えた。
 洪水対策のテーマでは、アグス、アニス両氏が現職が進める川沿いの住宅撤去を共に批判し、貧しい住民に寄り添う州政を掲げた。
 アグス氏は住民移転に反対し、「私たちは、立ち退きなしにジャカルタを築いていく。立ち退きは貧困を増すと証明されているからだ」と訴えた。
 チリウン川沿いで住宅を撤去された南ジャカルタ区ブキット・ドゥリの住民たちを訪問したというアニス氏も「私たちは貧しい人々と戦うのではなく、貧困と戦う。人々に自尊心と自信を持ってもらうことが重要だ」と強調した。
 対するアホック氏は「河川敷に暮らす人々を放置することは人道に反する。集合住宅へ移転した多くの住民は、洪水の恐怖なく穏やかに暮らせることに感謝している」と述べ、現行の洪水対策が成果を上げていることを主張した。
 3組はこのほか渋滞や経済政策について舌戦を交わし、予定されていた2時間を15分ほど延長して行われた。ネットTVとTVワン、ジャワポスTVが生中継した。討論会は、27日と2月10日にも開かれる。(木村綾)

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