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【高校生津波サミット(下)】アチェを「反面教師」に 想定高34メートルと向き合う

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【高校生津波サミット(上)】「若い世代が被害防ごう」 アチェから被災体験胸に 高知・黒潮町に30カ国362人

 「『世界津波の日』高校生サミットin黒潮」の会場となった高知県黒潮町は、2012年3月31日に公表された南海トラフ地震の被害想定で、34メートルという全国最大の津波想定高を突き付けられた。25日の開会式で、大西勝也・黒潮町長は「町内に激震が走りました。途方もない数字に一時はあきらめの声も聞こえる中、それでも前を向いて住民の皆さんと話し合いを繰り返し、防災対策を進めてきました」と語った。
 くしくも想定公表の直前、黒潮町では「情報防災課」の新設が決まっていた。初代課長の松本敏郎さん(60)は就任早々、津波想定高34メートルと向き合うことになった。「住民が避難をあきらめること、津波が来ても逃げないことが一番怖かった。まずは、何があってもあきらめないということを町民と共有することから始めた」と振り返る。
 「アチェの方は実際に34メートルの津波を経験された。私たちはどのような心の持ち方で、やがて来る津波に備えればよいのか」。松本さんは15年11月、04年のスマトラ島沖地震・津波で最大34メートルの津波が襲ったアチェ州を訪れた。「世界津波の日」の提唱者、二階俊博・日本インドネシア国会議員連盟会長らと共に、津波博物館や避難タワーを視察し、現地の人の被災体験を聞いた。
 松本さんはアチェを「反面教師ですね」と話す。「16万人が犠牲になったアチェには逃げる文化がなかった。逃げる文化、防災文化を教訓として伝えていくことが最も大事だとはっきり意識した」。
 町は、避難道や避難タワーの整備など「ハード面」と同時に、防災教育など「ソフト面」の対策を進めてきた。松本さんは「黒潮町は危ないと言われ、修学旅行が全てキャンセルになったことがあった。防災の取り組みをしっかりやる中で、逆に世界から人が集まってきてくれた」とサミットへの思いを語る。
 高校生サミットでは26日、県内に100基近くあるという津波避難タワーの見学や高台への避難訓練が行われた。高台では、同町の上川口小学校の前田浩文校長が「毎週金曜日に行っている」という同校の避難訓練について説明。参加した国立プカンバダ第1高校のオクタニア・ディヤ・ウルハクさん(15)は「アチェには避難タワーが六つだけで、十分とは思えない。避難訓練は年に1回。防災や減災について学んだことを、アチェに持ち帰って共有したい」と話した。
 初開催された高校生サミットは、「災害から1人でも多くの尊い命を守るため、できうる限りの努力をする」などとする黒潮宣言を採択し、閉幕した。ジャカルタでは12月15日、「世界津波の日」関連イベントの成果を総括し、防災意識を共有するシンポジウムが開かれる。(木村綾、写真も、おわり)

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