【マニュファクチャリング・インドネシア特集】来る商機の波に備えて マニュファクチャリング・インドネシア2016  30日開幕、来月3日まで JIエキスポ

  第27回マニュファクチャリング・インドネシア(MI)2016が、11月30日、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場(JIエキスポ)で開幕する。12月3日までの会期中、2千社を超える機械関連企業が出展、新たなビジネスチャンスを狙う。
 MIは、国内外の工作機械・産業機械・工具などのメーカーが出展、タイのマニュファクチャリング・エキスポと並び、東南アジア最大級の国際総合見本市といわれる。
 会場では、マシン・ツール・インドネシア▽ツールス&ハードウエアインドネシア▽インダストリアル・オートメーション&ロジスティクス・インドネシア――の3見本市も同時開催される。MI16と3見本市を合わせた出展企業の総数は日本、中国、韓国、台湾、シンガポール、トルコ、インド、ドイツなど32カ国・地域の2千社を超え、自社製品やサービスを売り込む。
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は2014年の就任以降、各国を訪問するたびに、インドネシアへの投資を積極的に呼びかけてきた。
 特に16年は、ネガティブリストの改定が発表されるなど、投資環境の改善の取り組みもみられる。産業・地域の格差是正を目的に、ジャカルタ近郊とジャワ島に偏った工業団地などの開発を、ジャワ島外の地方に拡大しようと注力している。さらに、タックスホリデーなどの税優遇措置や製造業の輸入促進策、14次(16年11月15日現在)にわたる経済政策パッケージの発表など景気刺激策を行ってきた。
 ことしは、製造業をけん引してきた自動車業界の新車販売台数が、1月から10月までの累計で87万台を超え、前年同期実績を2・5%上回った。また第3四半期(7〜9月期)の国内総生産(GDP)成長率は5・02%増で、前期に続いて5%を超えた。グローバルな経済環境が快方に向かわない中で、悪化を食い止め微小ながらも指標が改善されるのは評価されるべきとする声もある。

■実感ある回復の兆しを
 一部指標には、回復の兆しが見え始めているともいわれる。しかし、その兆しは微弱で実感できる企業はまだ少ない。
 インドネシアに進出して長い日系企業の幹部は、「大統領選が終われば……」「新政権主導のインフラ開発が始まれば……」「経済政策パッケージが軌道に乗れば……」との期待を持って景気回復を待ったが、我慢もあまり長くは続かない。「マクロの数字や指標だけでなく、17年には実感として感じられないと企業活動として厳しいことになる。ぎりぎりの正念場が迫っている」と話す。

■景気回復の波に備え
 インドネシア経済の停滞が指摘される一方で、15年末に東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)が発足したこともあり、日本企業の間ではASEAN最大といわれるインドネシアのマーケットへの期待度はまだ高い。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が確保した、MI2016の「ジャパン・パビリオン」ブースには、日本各地から中小企業46社が参加する。単独、あるいは地方自治体の支援などを通して出展する分もあわせると、日系企業247社の出展が予定されている。
 中小企業にとって、インドネシアの投資環境はハードルが高くなってきているといわれる。そのような状況下、過去の投資ブームのようにまわりの流れに乗って進出するのではなく、来る景気回復の波に乗り遅れないようアンテナを張りながら、マーケティングを丹念に行うなど、中長期的に備える企業も増えている。(太田勉)

◇第27回マニュファクチャリング・インドネシア
 11月30日(水)〜12月3日(土)、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場(JIエキスポ)で開催。開場時間は午前10時〜午後6時(最終日は午後5時まで)。入場無料(登録必要)。
 同時開催は、マシン・ツール・インドネシア▽ツールス&ハードウエアインドネシア▽インダストリアル・オートメーション&ロジスティクス・インドネシア――の3見本市。協賛は、工業省と金型、金属加工、精密器具、自動車部品、工作機械、鋳造などの各協会。

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