初のパンダ、来月来園 受け入れ準備万端、来年1月にも公開 ボゴールのタマンサファリ
来月、中国からジャイアントパンダがインドネシアに初めてやってくる。受け入れ先の西ジャワ州ボゴール県の動物園「タマンサファリ・インドネシア」ではパンダ舎が完成し、来年1月にも一般公開したいと意気込んでいる。
ヤンセン・マナンサン園長は3日、じゃかるた新聞の取材にジャイアントパンダ2頭が年内にも来園し、1月にも公開したい考えを明らかにした。ジャイアントパンダの受け入れは世界で14カ国目。園内の土産店には1年以上前からぬいぐるみやキーホルダーなどパンダのグッズが並び、「主役」の来園を待ちわびてきた。ヤンセン園長は「3年前から受け入れに向けて話を進めてきた。ついにです」と笑顔を見せる。
来園するのは4〜5歳のつがいで、雄の「ジンフー」と雌の「フェイユン」。四川省臥龍からやってくる。
暑さが苦手なパンダを迎え入れるため、園は海抜1300メートル、広さ1・5ヘクタールの高地にパンダ舎を新設した。園の最も奥に位置し、パングランゴ山(標高3019メートル)が望める。
公開後は専用シャトルバスが運行することになるパンダ舎への道中には、餌として2年前から育てている竹林がある。中国産もあるという。
パンダ舎は中国の城をイメージした3階建てで、1階に土産店、2階にレストランがある。3階には中国の伝統衣装を着て写真が撮れるコーナーや約100人収容のミニシアターを設けた。
パンダの姿を間近で観察できるガラス張りの展示スペースは2階の屋外と3階の室内の2カ所で、天気が良ければ屋外展示する。工事を担当したディディン・アリエディンさんは「2年かけてようやく完成した。パンダを迎え入れる準備は万端です」と話している。
タマンサファリはことし、開園30周年を迎えた。広さ168ヘクタールの敷地に約300種3千頭を飼育している。
群馬サファリパークと姉妹園として提携しているほか、上野動物園にスマトラトラ、多摩動物公園にオランウータンを提供するなど、日本の動物園と長く交流を続けてきた。
複数の日本の動物園関係者とヤンセン園長によると、ジャイアントパンダの来園に合わせ、日本からレッサーパンダを受け入れて比較展示する方向で、現在調整中という。すでに、パンダ舎の一角にはレッサーパンダの解説板が設置されている。日本の動物園関係者は「涼しく、飼育環境は申し分ない」として前向きに検討している。(木村綾、写真も)