日イ友好親善に貢献 2人に外務大臣表彰 「各国が世界的視野を」

 日本外務省はこのほど、インドネシア関係の2人を含む外務大臣表彰の受賞者を発表した。2人は、イスラム学者会議(MUI)最高顧問会議のディン・シャムスディン議長(58)と柔道師範の仙石常雄さん(71)で、日イ友好親善、相互理解促進への貢献が高く評価された。9月30日には、表彰状授与式が駐インドネシア日本大使公邸などで開かれた。

■ MUIのディン議長 「初心を忘れずまい進」 柔道師範の仙石さん
 ディン議長は2005年から15年まで、国内第2の規模を持つイスラム団体ムハマディヤの総裁を務めた。また、世界平和フォーラム代表なども歴任し、国内外で世界平和の構築に努力した。
 日本とは古くから交流があり、多くの宗教学会や大学などで講演、ワークショップに参加し、日本とイスラム社会との相互理解促進に大きく貢献した。
 南ジャカルタの大使公邸で開かれた授与式で同議長は「大変光栄に思う。アジアの発展は平和的に進むべきで、暴力的なものとはかけ離れたものでなくてはならない。各国が世界的な視野を持ち、発展していくべきだ。日本とインドネシアは歴史的な関わりも深く、今後ますます交流が深まっていくことが望まれる」とあいさつした。
 表彰状を手渡した谷崎泰明駐インドネシア日本大使は「日本を訪れるインドネシア人観光客は増えている。ディン議長には、ハラル食品に関してなど、イスラムに関する正しい認識を深め、受け入れ態勢を整えるのに多大な貢献をして頂いた」と功績をたたえた。

■ 「初心を忘れずまい進」 柔道師範の仙石さん
 バリ島の千葉広久駐デンパサール総領事公邸では、仙石さんの授与式が開かれた。
 元警視庁柔道師範の仙石さんは1977年、国際交流基金から派遣されてインドネシア各地で柔道を教えた。2005年には国際協力機構(JICA)のインドネシア国家警察改革プロジェクトの専門家として西ジャワ州ブカシ県で捜査技術を指導した。
 インドネシアの子どもたちに柔道を広めたいという夢を実現するため、07年には、私財を投じてバリに200畳敷きの「仙石インターナショナル柔道ホール」を建てた。これまで約1千人の小中高生らを無料で指導し、現在は150人が稽古している。若手選手の育成に尽くす中、インドネシア柔道協会会長アドバイザーや柔道ナショナルコーチも歴任した。
 表彰状を受け取った仙石さんは「私を支えてくれた妻や関係者の努力の賜物だと思っている。初心を忘れずにインドネシアを愛し、日本のためにまい進したい」と話した。
 教え子らはバリ州代表選手選考会でチーム総合優勝を果たすなど、確実に成果を出しているが、「自分が教える目的は強い選手を作るのではなく、人間形成だ」と仙石さん。
 さらに「柔道を通して世のため、人のために尽くす大人に育てたい。柔道は強くなくても、そういう人こそが立派な柔道家。子どもたちにはまず礼節を教える。そして個々のいい部分に注目しながら、得意技を磨いていけばいい。それが自信につながりどこでも通用する人間に育つのです」と語った。(江原早紀、北井香織、平野慧)

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