8年ぶり金 バド混合ダブルスで初 トントウィ・リリヤナ組 「独立記念日の贈り物」
リオデジャネイロ五輪第13日の17日、バドミントン混合ダブルス決勝で、インドネシアのトントウィ・アフマッド(29)、リリヤナ・ナトシル(30)組が、マレーシアのチャン・ペンソン(28)、ゴー・リュウイン(27)を21―14、21―12で下し、2008年の北京大会以来8年ぶり、インドネシアにとって五輪史上7個目の金メダルをもたらした。混合ダブルスでは初の快挙。
17日午後11時57分。マレーシア組が返したシャトルコックが、ネットに掛かった。コートでガッツポーズをとるトントウィ・リリヤナ組。同9時50分の試合開始が約80分遅れたが、試合時間45分のストレート勝ちで、独立71周年記念日に間に合った。トントウィは「(金メダルは)独立記念日を祝うインドネシア国民への贈り物になった。全ての支援に感謝しています」と語った。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は試合直後の18日午前0時22分に、ツイッターで「ついにリオ五輪に響くインドネシア国歌を聞くことができた。金メダル獲得おめでとう」とコメントした。
マレーシア組には予選でもストレート勝ちし、決勝まで一度も負けなかった。08年北京で銀メダルに輝き、12年ロンドンで初めてトントウィと組み準決勝で敗退したリリヤナは「スコアほど簡単な試合ではなかった」と振り返る。
準決勝では、日本の数野健太(30)、栗原文音(あやね、26)組に快勝して臨んだロンドン五輪の覇者、中国の張楠(チョウ・ナン、26)、趙●蕾(チョウ・ユンレイ、29)組(●ユンは草冠に雲)に21―16、21―15で勝利し、勢いに乗った。リリヤナは「緊張もあったが、集中できた」と話した。
今大会のメダル獲得数は、金メダル1個と銀メダル2個の合計3個。重量挙げ男子62キロ級でエコ・ユリ・イラワン(27)が3大会連続のメダル獲得を果たし、重量挙げ女子48キロ級でスリ・ワフユニ・アグスティアニ(22)が初のメダルを獲得した。
メダル獲得者には青年スポーツ省から特別ボーナスが支給される。金には50億ルピア、銀には20億ルピア。イマム・ナフラウィ青年スポーツ相は「2人のプライドが成功へ導いた。インドネシアの誇りだ」と称賛した。
インドネシア人選手28人中27人は、重量挙げとバトミントン、陸上走り幅跳び、アーチェリー、競泳、ボートでの競技を終了した。残る自転車のBMXのトニー・シャリフディン(25)は18日(現地時間)の準々決勝に登場する。
インドネシアの累計獲得メダル数は、88年ソウルでアーチェリー女子団体が初のメダル(銀)を獲得して以来、30個となった。
国技のバドミントンでは、92年バルセロナ大会で男子シングル、女子シングルともに初の金メダルを獲得。以来、毎回金メダルを獲得してきたが、ロンドンでは重量挙げの銀と銅の2個のみで、バドミントンはメダルを逃した。
バルセロナで東南アジアにとっても初の金メダルをもたらした伝説の名選手、スシ・スサンティさん(45)は、トントウィ、リリヤナ両選手に「これまでに背負ってきたプレッシャーから逃れ、自由な時間を楽しんでほしい」と労をねぎらった。(中島昭浩)