活気あふれる魚市場へ スラバヤ・ケンジェラン 新たな観光地に

 東ジャワ州スラバヤのケンジェラン海岸沿いにある魚市場「セントラ・イカン・ブラク(SIB)」。ことしに入ってスラバヤ市のトリ・リスマハリニ(通称リスマ)市長が音頭を取り、内装の整備やイベントを実施。新たなスラバヤの観光地として再度、知名度が高まっている。

 SIBは2012年に観光開発を目的に「モダンな魚市場」としてオープンしたが、売り手や客が減少する一方で、閑散とした状態が続いていた。一方、ケンジェラン地区では海岸沖に海上道路「ジュンバタン・スロボヨ」が完成、噴水ショーが始まったほか、漁村の屋根や壁を色とりどりに塗りかえるなど観光開発が進んでおり、メディアが注目。SIBにも商人や客が集まるようになった。
 ナナン・サントソさん(46)は夫婦で3年ほど前から、SIBで店を構え続けてきた。完成してすぐは多くの商人がいたが、客足が乏しく、ほとんどの人が路上販売に戻っていったという。ナナンさんは「3年前は店を出す人も少なく、最後まで残ったのは私たちだけ。客はほとんどいなかった」と語る。
 「今では信じられないくらい多くの人が訪れる。同じように商人も増えて活気がでてきた。多くの人と顔を合わせられるのがうれしい」と笑顔を見せた。
 SIBの営業時間は朝8時ごろから午後6時ごろまで。商品がなくなったり、客が途絶えると店を閉める。1階ではクルプック(揚げせんべい)、生の魚やカニ、カイなどを販売する約50店が並ぶ。多くがケンジェランの海であがったものだ。魚は安いもので1キロ2〜3万ルピア、高いもので同7万ルピアほど。カニは同6万ルピアだ。
 2階は海を眺められるテラス席などがある飲食スペースで、インドネシア料理を中心に30店舗以上が並ぶ。貝殻を使用したアクセサリーなどの土産も販売されていた。1階で購入した魚介類を調理してくれるほか、トイレや無料Wi―Fiも完備されている。
 同じくSIBで店を構えるスタティックさん(45)はケンジェランの南側に位置するスコリロ出身。夫が漁民で、以前はケンジェラン区域の道沿いで、クルプックを売り歩いていた。
 スタティックさんは「路上販売では観光客は寄り付かない。ここでは魚市場としてきちんと店を構えられ、お客さんも来る」と話す。魚やエビなど15種類ほど並んだクルプックは種類によるが、1キロ2万ルピアのものが多く、普段の売り上げは1日20〜40万ルピア。多いときは最大100万ルピアという。
 「今は地元の人がほとんどだが、スラバヤの観光地として整備されていくのはうれしいし、外国人ももっと来てほしい」と笑顔で話した。(毛利春香、写真も)

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