中国投資、存在感高まる 1年で6倍増、4位に 上期直接投資統計

 投資調整庁(BKPM)が公表した2016年上期(1〜6月)の直接投資統計によると、国内・海外からの直接投資額は298兆1千億ルピアで、過去最高だった昨年の投資額よりも14.8%増加した。インドネシアにとって最大の貿易国ながら直接投資では下位だった中国が、ことしは4位に入っている。

 海外からの直接投資は195兆5千億ルピア。国内からの直接投資は102兆6千億ルピアで飲食産業が首位だった。シンガポールからの投資が49億ドルで首位、次いで日本が29億ドルで2位だった。
 昨年と比べ突出して増加したのが中国からの投資だ。中国の上期投資額は10億ドルで4位に入り、前年同期の1億6千万ドルに比べ、1年間で6倍以上に急増した。
 香港からの投資も11億ドルと多く日本に次いで3位だった。主な中国・香港からの投資は、インドネシア政府が禁輸政策を実施する未加工鉱石の加工産業に集中している。
 BKPMは中国語で対応できる事務所の開設や、中国の主要都市を頻繁に訪問するなど投資誘致に力を入れている。
 前商業相のトマス・レンボンBKPM長官は会見で「中国との貿易収支については多額の赤字が続いている。一方で、中国からの直接投資が増えることで経済関係の不均衡の緩和につながる」と歓迎した。
 フランキー・シバラニ前BKPM長官は中国の2010〜15年の海外投資額に言及し、「中国全体の海外直接投資額の約11%がインドネシアに流入している統計データがある」と良好な投資関係を築いていることを強調。「(南シナ海をめぐる中国との摩擦は)投資環境に影響していない」(トマスBKPM長官)とした。
■ジャワ島外が増加
 BKPMは29日、第2四半期(4〜6月)の国内・海外からの直接投資額が前年同期比12.3%増の151.6兆ルピアで、四半期ベースで過去最高となったと公表した。年間目標額の594.9兆ルピア(前年実績は545.4兆ルピア)に対しても、上期(1〜6月)で目標に対し50%を超え、達成を見通せる額となった。
 政府が推進するジャワ島外への投資は69.6兆ルピアで前年同期比15.2%増加した。ジャワ島内は前年同期比9.8%増の82兆ルピア。ジャワ島外の増加率が、ジャワ島内に比べ伸びている。
 BKPMはタックス・アムネスティ(租税特赦)の特別チームを設置し、海外からの還流資産に対する投資優遇策のための最終調整をしている。(佐藤拓也)

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