目指せ「ものづくり大学」 ダルマ・プルサダ大学30周年 2コース新設福田会長が訪問

 日本留学経験者らによって設立されたダルマ・プルサダ大学(東ジャカルタ)が創立30周年を迎えた。工学部に2コースを新設するなど本格的な大学改革に乗り出す。日本とのネットワークを生かし、日本の「ものづくり」精神を持った産業人材の育成を目指していく。

 同大学は1986年、プルサダ(元日本留学生協会)が中心となり、日本での経験を母国に生かそうと設立した。文学部、工学部、海洋工学部、経済学部の4学部と再生エネルギー研究科からなる私立大学で、生徒数は約3400人に上る。
 大学はこのほど、大学再建のための行動計画をまとめた。9月には工学部内に「金型設計技術者コース」と「生産自動化技術者コース」を新たに開設する予定で、「ものづくり大学」実現に向けた大学改革を本格化している。
 日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)が東南アジア諸国連合(ASEAN)で行う産業人材育成事業の一環で、工学部産業工学科での寄付講座も決まった。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)に属する日系企業らが協力してカリキュラム開発や講師派遣、インターン、就職フェアなどを行い、日系企業の即戦力となる人材育成を目指していく。
 28日、同大で行われた記念式典には元首相で日本インドネシア協会の福田康夫会長や協会加盟の企業幹部らも駆け付けた。福田会長は同大学を「日本とインドネシア両国の懸け橋とも言える象徴的な存在」と表現。大学改革を支援すべく、ダルマ・プルサダ大との協力に関心がある日本の大学を集めたコンソーシアムの設立に向けて準備中だと明かした。
 一行は日本政府が機材を供与した言語教室やトヨタが設備を提供した工学部のラボラトリーを見学した。言語教室では福田会長が日本語を学ぶ学生に「日本語をよく勉強して、うまくなって、どうぞ日本に来てください。待ってますよ」と声をかける場面もあった。その後キャンパス内にタベブヤの木を記念植樹した。福田氏は06年にも同大を訪れている。
 同日午後には同大学とAMEICC事務局が「ものづくり大学を目指して」と題したセミナーを開催し、大学や日系企業関係者ら約150人が参加した。セミナーでダダン・ソリヒン学長は「ものづくり教育によって、日系企業が求めるような能力を持った卒業生を輩出していくことができるのではないかと思う。特に製造業向けの人材を育成し、産業界に貢献できる、インドネシアのパイオニア大学を目指したい」と30年目の決意を表した。(木村綾、写真も)

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