重鎮2人 返り咲き スリ財務相・ウィラント調整相 第2次内閣改造13人刷新

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は27日、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)で第2次内閣改造人事を発表した。2調整相を含む閣僚12人と閣僚級ポスト1人の計13人を刷新し、4人が横滑り、9人を新たに入閣させた。世銀専務理事のスリ・ムルヤニ元財務相や、スハルト政権から治安閣僚を歴任した有力退役軍人ウィラント元国軍司令官らを登用。経済と政治の両軸を実績のある重鎮で固めた。

 経済閣僚は7人が交代した。バンバン・プロジョヌゴロ前財務相が国家開発計画相へ、大統領側近のルフット・パンジャイタン前政治・法務・治安調整相が海事調整相へ、トマス・レンボン前商業相が投資調整庁(BKPM)長官へ横滑りした。主要政策で閣内の対立が目立ったエネルギー鉱物資源相、運輸相が代わり、高速鉄道事業などで批判を浴びたリニ・スマルノ国営企業相は留任した。
 財務相には、2014年10月のジョコウィ政権発足当時の組閣で、経済調整相に名前が取り沙汰されたこともあるスリ氏を充てた。第1次ユドヨノ政権で財務相に就任後、税収増や税関の汚職追及など改革を進めたが、当時のアブリザル・バクリー経済調整相ら政治家と対立し、世銀に転出した。
 スリ氏は任命式後、「祖国への貢献」を復帰理由に挙げ、世銀のジム・ヨン・キム総裁に辞意を伝えていたと明かした。米フォーブス誌の「世界で最もパワフルな女性100人」の常連でもあり、国際社会の信頼を引き寄せる「鉄の女」が目玉人事となった。
 ルフット氏の後任の政治・法務・治安調整相には、スハルト、ハビビ、アブドゥルラフマン・ワヒド各政権で同調整相を歴任し、ゴルカル党の大統領候補や副大統領候補にもなったことのあるウィラント氏が就任した。
 退役軍人では、陸軍士官学校1970年卒のルフット氏、73年卒のユドヨノ氏の先輩にあたる。連立与党ハヌラ党党首のウィラント氏が16年ぶりに入閣し、長老の筆頭閣僚として政治・治安を指揮する。
 ことし5月、連立与党に鞍替えしたゴルカル党は、アイルランガ・ハルタルト国会議員を工業相に送り込んだ。昨年与党入りした国民信託党(PAN)からも、アスマン・アブヌル国会議員が国家行政改革相に就任したが、肥大化する連立与党絡みの人事は最小限にとどまった。

■内閣団結で加速
 ジョコウィ大統領は任命式で、閣内不一致で政策実行に支障が出たとの認識を表明。「省庁間で連帯し、支え合うことを重視してほしい」と内閣の団結を最重視する方針を示した。また「もっと早く、もっと効果的に、強固なチームとして仕事をしてほしい」と強調。大統領と副大統領が決定する方針を、閣僚は団結して実行に移すだけだと呼びかけた。(配島克彦)

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