スタートアップ拡大 マンディリ銀が設立支援 通販・交通・医療・農業

 スタートアップ(ベンチャー)企業が、インターネット環境の向上やスマートフォン(スマホ)人口の増加を背景に、アプリを通じた通販サイトや交通サービス、医療や農業、工事業者など幅広い分野にサービスを広げている。インターネット利用者の人口が来年に日本を上回る試算もあり、政府や国営銀行は予算を充てて支援していく。

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は先日開かれたスタートアップ関連企業の出展するイベントに出席し、「Halodoc、Tanihub、Limakiloなど、生活水準を引き上げる素晴らしいアプリがたくさんある」と最近利用されているスマートフォンのアプリを列挙しし、担当閣僚にこの分野の育成を支援するよう指示した。
 「Halodoc」はアプリを通じて医師と直接連絡を取ることができる。「Tanihub」や「Limakilo」は、農家から農産物を直接購入できるアプリで、中間流通業者を介さないことで消費者に安く商品を提供し、農家により利益をもたらすことを狙いとするアプリだ。
 スタートアップ企業は、ゲームなどのエンターテインメントの分野はもちろん、利用者に定着した二輪配車アプリ「ゴジェック」のように普段の生活で必要とされる分野のビジネスに裾野を広げている。例えば「lewatmana・com」はどの道路で渋滞しているかを道路の動画を用い、リアルタイムで把握できる。
 IT(情報技術)を中心に取り上げるメディア、デイリーソーシャルによると、インドネシアのスタートアップ企業は昨年までに1500社を超えた。「インドネシアのスタートアップ企業は大きな消費市場を背景にパワフルに成長している」(米投資会社、フェノックス・ベンチャーキャピタルのアニス・ウザマンCEO)と今後さらにさまざまな分野にサービスを広げていくことが予想される。
 米調査会社、イーマーケターによると2017年のインドネシアのインターネット利用者人口は1億1200万人に達する見込みで、日本の利用者を上回り、18年にブラジルよりも増え、世界で4番目の利用者人口となる見通しを示した。
 ジョコウィ大統領は、大企業に比べ資金調達に課題を抱えるベンチャー企業の育成分野に対し政府予算をつけるなどの支援を打ち出している。
 ベンチャー企業へ投資するため、国営銀行大手、マンディリ銀行はことし1月にマンディリ・キャピタルを設立。資金の担保や保証を確保するのが難しい企業に対し、投資会社を通じて支援していく。(佐藤拓也)

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