エコツーリズムの手本 スンバ島のリゾート「ニヒワトゥ」

 米国の有力な旅行雑誌で「世界一のホテル」に選ばれた東ヌサトゥンガラ州スンバ島にあるリゾート「ニヒワトゥ」が18日、中央ジャカルタの観光省で会見を開いた。アリフ・ヤフヤ観光相も出席し、エコツーリズムのお手本と絶賛、今後インドネシアでエコーツーリズムを推進する上で、同リゾートの経営・運営方法が注目されている。

 エコツーリズムは、その土地特有の文化や歴史、自然環境などを観光資源として生かすことで、保全や継承につなげる。ニヒワトゥではスンバ島の伝統文化、歴史、自然環境を生かしたさまざまなアクティビティーを楽しめる。
 同リゾートで働くスタッフの90%、約400人は地元スンバ島の人たち。また7割にのぼるリピーターなど、顧客からの支援金やリゾートでの収益で運営する「スンバ財団」を運営しており、マラリアの撲滅、子どもの教育・支援、妊産婦の死亡率を下げ母子を守る活動など、地元の人の生活の質向上を目指した支援活動を実施してきた。
 アリフ・ヤフヤ観光相はインドネシア各地にエコツーリズムを掲げたホテルやリゾート地が点在しているが、国際的に評価されている場所はほとんどないと説明したうえで、「ニヒワトゥではエコツーリズムで大切とされる環境、コミュニティー、経済の三つの観点においてすべて高く評価できる。インドネシアのホテルやリゾートにとっての手本だ」と話した。
 西スンバ県のアグスティヌス・ニガ・ダパウォル県知事によると、同リゾートで働くスタッフの給料は、東ヌサトゥンガラ州の最低賃金142万5千ルピアを大きく上回る月500万ルピアほどになり、さらにニヒワトゥは18億ルピアにのぼる地方税を納めているという。
 アグスティヌス県知事は「地方自治体としても感心している。ニヒワトゥの経営はとてもオープンで親しみがあり、雰囲気もよい。スンバの人たちの生活の質も向上した」と評価した。
 ニヒワトゥを取り仕切るマネージング・パートナーのジェームス・マクブリッジ氏は、「よく間違えられるのですが、ニヒワトゥがあるのは(スンバ島の北西に位置する)スンバワ島ではなく、スンバ島です!」と何度も繰り返し笑いを誘った。「インドネシアは世界で最も美しい場所の一つ。ニヒワトゥでもスンバの人たちと協力しながら、国内外から、より多くの人が訪れるようにしたい。また、インドネシアの観光開発・促進も後押ししていく」と話した。(毛利春香、写真も)

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