チカラン日本人会初総会 町内会のような集まりに 地域の情報交換 問題解決を図る

 西ジャワ州ブカシ県チカランやカラワンに住む日本人の集い「チカラン日本人会」は15日、ブカシ県リッポーチカランにある日本料理店「祭りや」で第1回となる総会を開き、新体制の発表などを行った。同会は2015年11月に発足。懇親会が主な活動だった集まりから発展し、地域のさまざまな情報を交換し、問題を共有、解決を図る組織を目指していく。
 チカランやカラワン在住の邦人は昨年前年比約25%増という勢いで増えており、約1200人(在インドネシア大使館調べ)を数える。 
 懇親会やゴルフコンペなどを開き親睦を図るコミュニティーはあったが、新興の地域であるがゆえに、地域の情報を交換、共有する手段が少ないという問題点があった。 
 そうしたなかで「安全、安心に生活できるように皆で力を合わせていくことをモットーとし、ささいな情報も交換できる集まりが必要と感じた」と小林イツヨ会長は話す。 
 地域の治安、衛生面などの問題点の発見、情報の発信、解決方法の相談などは執行部や有志の会員がボランティアで行う。 
 実際にリッポーチカラン運営団地で日本人を狙った盗難事件が起きた際は、防犯体制についての改善を求め、会として解決策をリッポーチカランの幹部と打ち合わせをするなどしてきた。 
 小林会長は「ある程度人数がいる集まりだからこそ、団地やアパートメントを経営するリッポーグループ、または警察とも交渉することができる」と話す。
 ■子どもの勉強会も 
 会の組織としては執行部の下に、イベント部や教育部など七つの部門が置かれ、それぞれ活動している。
 教育部では日本語が学べる幼稚園が少ない地域の状況の中、教員免許や書道有段者の有志が主に未就学児向けの勉強会を立ち上げた。部長の横山真実子さんは「約40人の子どもが登録していて、月1〜2回開かれる勉強会には毎回15人ぐらい来る。補習校の代わりとなってくれれば」と話す。 
 インドネシアの地域社会との交流も盛んに行っていく。有志でインドネシア人との茶会を企画しているほか、婦人部では児童養護施設の子どもたちに縫製のやり方を教えるなどの活動も頻繁に実施している。 
 現会員数は168人。会員の職種は飲食店経営から、エンジニア、コンサルタントなどさまざまだ。 
 「会員それぞれが経営、所属している企業の取り組みや、製品の良さを伝えていくことでほかの会員のヒントになることは確実にあるはず。情報を共有、発信していく仕組みをより良いものにしていきたい」と事務局長の譲原一馬さんは話す。 
 年会費は徴収せず、行事の都度参加費を集める形をとる。「ほかの同好会などと掛け持ちしている人もたくさんいる。堅苦しく考えずに参加して楽しんでもらえたらと思う。イメージとしては、町内会のようなものにしていきたい」と小林会長は話した。 
 同会では、今後懇親イベントを重ねつつ体制作りを進めるとともに、10月に開かれるもみじ祭りでのブースの出店に向けて準備を進めていく。(平野慧、写真も)

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