7万人の新規流入者 ジャカルタ 3年間でじわり増加

 ジャカルタ特別州への新規流入者が増えている。過去5年間の流入者の平均人数は年約5万8千人で、ここ3年は増加傾向が続いている。州政府はことしのレバラン(断食月明け大祭)の長期休暇後には、新たに7万人以上が流入するとの予想を発表。アホック知事は流入者は歓迎するが、規定を順守するよう呼びかけている。

 アホック知事は11日、新規流入者について「ジャカルタに来る新たな流入者の権利について言い争うつもりはない。この街は誰でも挑戦することができる首都だ」と話し、同州の規則を守ったうえで、住む場所や仕事を持っている新たな住民については歓迎する意向を示した。
 一方、流入者が河川敷などに不法に居住する者には「住宅はすぐに解体し、ただちに故郷へ帰ってもらう」とくぎを刺した。今後は低所得の住民らが生活できるよう低価格の高層住宅を建設し、教育や医療サービスを充実させていくと話した。
 同州住民・民事登録局のエディソン・シアン局長によると、レバランから15日間、州内の住宅や流入者の調査に集中的に取り組むとしており、隣組(RT)や町内会(RW)での新規登録者の確認のほか、バスターミナルや駅、港、空港などでのデータ収集に注力するという。
 首都圏では例年、レバラン後に親戚や友人を連れて戻る地方の出稼ぎ労働者が多い。中央統計局(BPS)の調べによると、2006から12年までジャカルタへの流入者は減少したが、13年から再び増加傾向にある。中部ジャワ州と西ジャワ州からの流入者が最も多く、次いでバンテン州、東ジャワ州、ランプン州が多く、大半がジャワ島からの移住者となっている。15年の新規流入者は7万593人だった。
 また運輸省の調査では、レバランの長期休暇後に、ジャカルタ特別州と西ジャワ州ボゴール、デポック、ブカシ、バンテン州南タンゲランを含むジャボデタベック(首都圏)に少なくとも18万1642人が新たに流入すると予想。この数はレバラン時に帰省のためジャボデタベックから出た1316万2458人の1.38%にあたり、首都圏全体でも人口が増加する。
 インドネシア大学経済学部の人口統計学研究所のソニー・ハリー・ハルマディ氏は、安定した職を見つけることが困難な地方から、ジャカルタ特別州など都市部へ人が流入する現象は止められないと強調。特に同州内では新規流入者による人口増加の影響で、雇用や住宅、公共施設などで負担が増すほか、犯罪発生率も増加する可能性があると指摘した。(毛利春香)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly