各地に大雨・高波警報 気象庁 レバラン帰省に影響 乾期なのに…

 気象庁(BMKG)は29日、レバラン(断食月明け大祭)前の7月1〜5日、インドネシア各地で大雨と高波、高潮に警戒するよう呼びかけた。ムディック(帰省)シーズンは29日夜からすでに始まっており、悪天候の影響で、飛行機や船の運航に影響が出るだけでなく、雨の影響で交通事故が起きやすくなる。例年この時期は乾期だが、気象庁や国家防災庁(BNPB)は「ことしは異常気象。昨年とは異なるレバランだ」と説明し、災害などに巻き込まれないよう注意を呼びかけている。
 気象庁によると7月4日まで中部ジャワ州全域で午後から夜にかけて雨が降ると予想。また29日に発表された早期警報によると、7月2日まで西スラウェシ州と南スラウェシ州、西パプア州で豪雨の可能性がある。
 また東南スラウェシ州と南スラウェシ州、東ヌサトゥンガラ州、北マルク州では、雷や強風、竜巻などを伴う豪雨が発生するとしている。
 ことしは南米ペルー沖の海面水温が下がり異常気象をもたらす「ラニーニャ現象」が発生。各地域周辺の海での低気圧の発生や流れ込む湿った空気の影響で湿度が高まり、雨雲が発生しやすいという。
■高潮にも注意を
 気象庁は7月1〜5日にかけて、高波・高潮にも注意が必要だとし、西スマトラ州や東ヌサトゥンガラ州では高さ4〜6メートルの波が発生すると説明した。またアチェ州西部と北部の海域や北スマトラ州ニアス諸島、西スマトラ州ムンタワイ諸島、マルク州アンボン島、バリ海峡の南部やロンボク、フローレス海やバンダ海などでも高さ2〜4メートルの高波が発生する恐れがある。
 さらに東ジャワ州の北岸を中心に高潮の恐れがあることも指摘。高潮で土地に海水が流れ込み、さらに大雨が降ることで洪水を引き起こす可能性も高いという。
 BNPBは災害発生時の避難所を設置するなど事前対策を実施。BNPBのストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官は「帰省客も旅行客も、さまざまな危険を警戒するべきだ」と話した。
 飛行機や船の運航にも影響が出ると見られる。気象庁は安全に運航できるよう、ウェブサイト(meteo.bmkg.go.id)で随時、天候や波の高さなどの情報を更新。災害発生の可能性が高い地域の同支部では、多い所で1時間ごとに情報を提供している。
 例年、6月は乾期だがことしは雨が多く、中部ジャワ州では18日に降り続いた大雨の影響で、16県・市で洪水や土砂崩れが発生。最も被害が深刻だったプルウォルジョ県を中心に、少なくとも50人が死亡している。(毛利春香)

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