異議申し立て却下求める コーヒー毒殺事件で検察側

 中央ジャカルタのモール「グランドインドネシア」のカフェで1月、ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が死亡したコーヒー毒殺事件で、殺人罪で起訴されたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の第2回公判が21日、中央ジャカルタ地裁で開かれた。検察側は15日の初公判に続き、起訴状を読み上げた後、弁護側の異議申し立てを却下するよう裁判長に求めた。
 ジェシカ容疑者が出廷したのは午前10時半ごろ。冒頭、裁判長から「この公判には健康な状態で出席していますか」と尋ねられ、落ち着いた様子で「元気です」と答えた。弁護側は初公判で検察側の起訴内容に対し、被告を犯人と断定するには証拠が足りないと否認し、さらなる説明を求めていた。
 検察側はこの日、再度起訴状を読み上げ、ミルナさんが毒殺される前後に被告が落ち着いていた様子や、殺害までの時間があったこと、どのように計画し殺害に至ったかについて、時系列に沿って説明した。
 アルディト・ムルワディ検察官は「弁護側はコーヒーに入れたとされる毒物についての詳細な説明を求めているが、我々が重要視しているのはジェシカ被告本人の行動だ」と述べた。
 弁護団の1人、オット・ハシブアン氏は公判後、弁護側の異議申し立ては裁判長に受け入れられると説明。「今回の公判でも検察側は毒物について詳しく言及しなかった。計画殺人だと断定できる詳細な説明がない」と指摘し、内容を改めて否認した。
■「犯人はジェシカだ」
 法廷の傍聴席はミルナさんの家族や関係者など多くの人で埋まり、立ち見をする人の姿もあった。地元メディアも駆け付け、100人を超える人で埋まった。
 ミルナさんと双子姉妹のマデ・サンディ・サリヒンさん夫妻は、ミルナさんの夫と並んで傍聴席に座った。ミルナさんの父エディ・ダルマワン・サリヒンさんは被告から離れた後部座席から公判を見届けた。ダルマワンさんは公判後、「ジェシカは臆病者で、毒を使った、邪悪な人だ」と怒りをあらわにした。一方で「判決で下された罰を恐れて逃げ出さないか心配だ」と語った。
 ミルナさんの夫アリフ・スマルノさんも「犯人はジェシカ被告だと思っているし、この裁判でジェシカ被告が犯人だと証明されると確信している。動向を追っていきたい」と話した。
 次回の公判は28日で、裁判長が弁護側の異議申し立てについて判断するものとみられる。(毛利春香、写真も)

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