迷い込みクジラ20頭海へ 12頭は死ぬ 東ジャワ
東ジャワ州プロボリンゴのペシシル村近くの河川に迷い込み、浅瀬に乗り上げるなどしていたコビレゴンドウ32頭のうち20頭が、17日までに無事海へと帰された。残る12頭は死んだ。救出活動や調査に当たる海洋資源管理センター(BPSPL)デンパサール支部が明らかにした。死因についてはさまざまな臆測が飛び交っており、解剖の結果を待っている。
BPSPLデンパサール支部のスコ・ワルドノ支部長は、迷い込んだ原因を調査中としながら、「ジャワ海にはクジラがいるが、近ごろは波が高かった」といい、高潮で川に入った可能性を示唆した。
地元海洋・漁業局のデディ局長は、1、2頭が岸辺付近を泳いでいて、仲間を助けようとするクジラの習性から川に入り込み、その後潮が引いた可能性を指摘している。世界自然保護基金(WWF)インドネシア海洋生物担当主任のカサンドラ・タニアさんは「地震や地殻変動とも関係があるかもしれない」と語った。
死因は酸欠が直接的な原因との見方が強い。方向感覚を失う見当識障害やストレス症状が見られ、マングローブに当たって体も傷ついていたという。
コビレゴンドウはゴンドウクジラ属の一種で、熱帯、亜熱帯、温帯域に生息。河川を泳いでいるところを村人が15日に発見した。体長約2〜6メートルで、子どもから成体までが含まれていたとみられる。死んだ12頭は、解剖後に埋葬される。(中島昭浩)