夜間の無料バス運行 ジャカルタ中心部に3ルート
州営トランスポルタシ・ジャカルタ (TJ)は21日から、夜間も走る無料2階建てバスの運行を開始した。「ショッピング」「グルメ」「ジャカルタの歴史」のテーマ別3ルートで、いずれも州庁舎と独立記念塔(モナス)広場前を共通の停留所とし、市民や観光客を各地へ案内する。
ジャカルタ特別州ではこれまで、昼間の時間帯に州内の観光地を巡る無料2階建てバスはあったが、夜の時間帯にも運行するのは初めて。
TJのブディ・カリウォノ社長は初回運行前日の20日、「休日の夜などにコタ・トゥアをはじめ、州内各地へ向かう市民のために、安心で安全、清潔な無料バスを提供する。皆さんぜひ、利用してほしい」と呼びかけた。
TJによると、ショッピングルートは月〜土曜午前9時〜午後5時、日曜正午〜午後8時の運行時間で、サリナデパートやプラザ・インドネシア、パサールバル(ジャカルタ芸術劇場)など買い物客でにぎわう場所を巡る。グルメルートの運行は土曜午後5時〜同11時のみで、ハルモニ、ジャカルタ・コタ駅(西ジャカルタ)にほど近いインドネシア銀行博物館前など飲食店が立ち並ぶ地区に停車する。ジャカルタの歴史ルートは月〜土曜午前9時〜午後5時、日曜正午〜午後8時、国立博物館や国立図書館、世界最大級のモスクであるイスティクラル・モスク、パサールバル(ジャカルタ芸術劇場)などを回り、州内の歴史観光を楽しめる。
共通の停留所になっているモナス広場では4月初旬から、毎日午後7時〜同10時に展望台に登り、ジャカルタの夜景を一望できるようになった。夜間のバス運行と合わせて観光客増の期待もできそうだ。
乗車運賃が無料であることだけではなく観光ガイドも同乗するほか、それぞれのルート案内を記した小冊子を配るなど乗客へのさまざまなもてなしを充実させるという。
当面は3ルートの運行に7台ほどの2階建てバス(69人乗り)を使用していくが、ジャカルタ特別州の観光促進への取り組みに賛同する企業数社からのCSR(企業の社会的責任)の一環で車両寄付を受け、来月に21台、ことし中に40台まで増やし、来年内には250台を追加する予定。
またアホック知事によると、今後は各車両にヘッドホンを用意し、外国人観光客向けに英語での観光案内を収録した音声ガイドも導入する。
■また乗りたい
西ジャワ州ブカシ県から休暇を利用して観光に来たティジ・バルキスさん(20)は24日午後、国立博物館から歴史ルートのバスに乗り、モナスに向かった。「サリナ・デパートで買い物をした後、博物館の見学をしていた。車内はきれいで、2階も乗り心地が良かった。今度は夜間運行する土曜のグルメルートに乗車し、コタに行ってみたい」と話した。(山本康行、平野慧)