大統領と関係強化へ ゴルカル党 党勢回復に新戦略

 バリ州ヌサドゥアで開催されたゴルカル党臨時党大会が18日、閉幕した。スティヤ・ノファント党首ら新幹部を選出し、連立与党入りを決めたほか、2019年総選挙・大統領選に向け、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と関係強化を図る方針を決定。さらに元同党国会議員であるアホック・ジャカルタ特別州知事に接近する構えを示すなど、党勢回復に向けた新戦略に注目が集まっている。

 スティヤ氏の選対チームのヨリス・ラウェヤイ氏は18日、ゴルカル党は19年大統領選でジョコウィ氏の続投を支持すると明言し、スティヤ氏の見解を代弁するものとして「支持するだけでなく擁立する」と強調した。
 イドルス・マルハム幹事長は「スティヤ氏の任期は19年まで3年と短い。大統領と効果的かつ密に、建設的に連絡を取り合う必要がある」と強調、臨時党大会で党方針として大統領との関係強化を打ち出したと説明した。
 ジョコウィ大統領の所属政党・闘争民主党(PDIP)と大統領の関係も不安定であることから、地元メディアではゴルカル党がPDIPに揺さぶりを掛ける構えを鮮明にしたとの見方も出ている。
 ジョコウィ氏だけではない。来年2月の統一地方首長選で、党内から候補擁立を模索しているゴルカル党ジャカルタ支部は、独立候補として出馬する予定のアホック氏も「候補の1人」と方針転換を示唆。世論調査で断トツ首位のアホック氏の人気を党勢回復に利用したい考えだ。
 ゴルカル党の元国会議員(2008〜12年)であるアホック知事は地元メディアに対し、自身への支持は「ゴルカル次第」としながらも、同党には「個人的に親しい友人はたくさんいる」と話し、スティヤ新党首にも祝意を伝えた。スティヤ氏との交遊について、アホック氏が国会第2委員会(内政・地方自治担当)委員や法務局員を務めていた当時、会派代表だったスティヤ氏に協力してもらったエピソードを披露した。
■支持率は10%へ下落
 インドネシア調査サークル(LSI)は同日、党首選を控えた今月2〜7日、34州の1200人を対象に実施したアンケート調査の結果を発表、ゴルカル党の支持率は2014年総選挙の得票率14.75%から10.8%に下落したと明らかにした。PDIPは同18.95%から21.5%に上昇した。
 LSIのアルディアン・ソパ氏は「ゴルカルには新たなブランディングや戦略が必要だ」と指摘。泥沼化したアブリザル・バクリー派とアグン・ラクソノ派の2派対立を乗り越え、ダメージ回復が急務だと強調した。
 昨年12月の統一地方首長選では内紛で候補を絞り込めず、擁立にこぎ着けた候補のうち当選したのは首長選を実施した計264の自治体のうち57のみ。トップのPDIPの約半数で、小政党も下回る9番目の当選者数にとどまる惨敗となった。党内の混乱を回避するため、西ジャワ州バンドン県知事のダダン・ナセル氏のように党公認を得ず、独立候補として出馬して当選する党員も出た。(配島克彦)

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