3週間で30万集める アホック支える若者たち

 来年2月のジャカルタ特別州知事選で再選を狙うアホック氏(49)をめぐる動きが活発化している。先月のナスデム党に続き、26日にはハヌラ党が公式に支持を表明。アホック氏がヘル・ブディ・ハルトノ州地方財政運営局長(50)とペアを組み無所属で出馬することを決めた今月6日以降、支持者の住民登録証(KTP)を一から集め直しているアホック氏の支持団体「トゥマン・アホック」は約3週間で30万人以上から集め、出馬条件の約53万2千人分の達成を楽観視している。

 南ジャカルタ・パサールミングのトゥマン・アホックの事務所には、毎日午前10時〜午後9時までアホック氏の支持者が訪れ、登録用紙に記入し、KTPのコピーを提出していく。
 「昨年の6月5日、30人でKTPを集め始め、これだけ大規模になった」と振り返るのは創設者の1人、アマリア・アユニンチャスさん(24)。現在では約400人が活動に参加しているという。
 トゥマン・アホックは昨年6月、アマリアさんら5人が中心となって作った。12年の知事選でジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)、アホック両氏の正副知事候補を支持した団体「ジャカルタ・バル」が前身。アマリアさんは昨年2月にインドネシア大学を卒業後、経済紙コンタンの営業として働いたが、設立に伴い6月に退社。創設した5人は全員25歳以下(当時)で、現在も約8割が学生だという。インドネシア大学大学院生のユスティアン・FMさん(30)も「論文を書いているけど、土日だけ参加するから学業に支障ない」と学生らがシフトを組み交代で勤務する。
 計約230カ所でKTPを集め、週末には1日に約2万人分が集まる。内訳は州内のモール28カ所で約8千人、トゥマン・アホック運営などが設置したポスコ(拠点)150カ所で約3千人、パサールミングの事務所で約1500人分。急増しているのが支持者が自宅に設置したポスコで、現在約50カ所あり、近隣住民などに呼びかけて約7500人分を集めているという。
 トゥマン・アホックは昨年末までに約53万2千人のKTPを集めた。しかしアホック氏が今月6日、ヘル氏を副知事候補とするペアでの出馬を決めたため、アホック・ヘル両氏を対象とするKTP集めに切り替え、一からやり直している。27日時点で30万4947人分に達した。ボランティアのシンギ・ウィディヤストノさん(23)は「前回は5カ月で30万人分、今回は3週間で30万人分。4月中には目標を達成できる」、アマリアさんは「6月末までに100万人」と楽観視する声が多い。
 トゥマン・アホックは現金寄付は受け付けず、活動資金はグッズの売り上げから拠出する。先月1カ月で1枚10万ルピアのTシャツを3万枚売り上げた。バンテン州南タンゲラン在住のヘリオ・ハトゥさん(42)は27日、「投票権はないが応援したい」とTシャツを買いに事務所を訪れた。「ジャカルタ州政府は透明性が高くプロフェッショナル。アホック氏がロールモデルとなって他の自治体に良い影響を与えられると思う」と話した。

■日本支部も開設
 活動はジャカルタにとどまらず、海外にも及ぶ。アマリアさんによると、シンガポール、オーストラリア、オランダ、ドイツにあるほか、23日には、日本の神奈川県川崎市にトゥマン・アホックのポスコが開設した。各国に点在するジャカルタの支持者のKTPを取りまとめ、ジャカルタに送る役割を担うという。(木村綾、写真も)

◇ トゥマン・アホック 「アホックの友達」を意味し、2017年2月15日投開票のジャカルタ特別州知事選で現職アホック氏の再選を目指すボランティアによる支持団体。15年6月に結成し、現在約400人が在籍。アホック氏は14年9月にグリンドラ党を離党し、次期知事選には無所属の独立候補として出馬予定。無所属で出馬する場合、有権者の7.5%にあたる約53万2千人分の支持者の個人情報を記した登録用紙と住民登録証(KTP)のコピーを集めて16年8月までに総選挙委員会(KPU)に提出する必要があり、各地で署名活動を繰り広げている。

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