国営銀行を改革 持ち株会社制に 30兆ルピアの節約効果

 政府は大手国営銀行4行の持ち株会社制への移行計画を進めている。国営アンタラ通信によると、国営企業省は現在持ち株会社制移行への影響を調査しており、今月末までに調査を終える予定。現時点で30兆ルピアの節約につながる試算を公表している。
 移行の対象銀行はマンディリ銀、ラクヤット・インドネシア銀(BRI)、ヌガラ・インドネシア銀(BNI)タブンガン・ヌガラ銀(BTN)の大手4行。リニ・スマルノ国営企業相は持ち株会社にすることで現金自動預払機(ATM)の維持費を節約できるとし、「節約分が融資の貸出金利の引き下げにつながり、消費者に恩恵が生まれる」と語った。
 マンディリ銀やBNIは持ち株会社制に賛意を示しており、BNIのアフマド・バイクニ頭取は「資本強化につながり投資管理業務などの面で向上する」と語っている。
 リニ氏は現在国営企業の数が118社もあり、経営が非効率と指摘。銀行に限らず国営企業を持ち株会社にすることで経営効率化を図りたい考え。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領もその意向だという。
 国営企業省は銀行のほかに高速道路、鉱業、石油ガス、ハウスメーカー、建設業などで持ち株会社制を検討している。
 著名経済学者のファイザル・バスリ氏は地元メディアに「持ち株会社制より合併のほうが、競争力がつく」と現政権の持ち株会社制を批判。「シンガポールの政府系企業テマセク・ホールディングスを参考にしているようだが、インドネシアとシンガポールは体制が違う」としている。(佐藤拓也)

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