ブンカルノを再開発 大統領令発令  アジア大会で14施設改修

 2018年にジャカルタ特別州と南スマトラ州パレンバンを中心に開かれる第18回アジア大会に向け、政府は今月から中央ジャカルタ区スナヤンにあるブンカルノ競技場の再開発計画を本格的に始める。28あるスポーツ施設のうちメーンスタジアムを含む計14施設を改修し、国際基準に合わせる。再開発を主導する公共事業・国民住宅省は17年8月の完工を目標に掲げている。 

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は先月末、アジア大会の準備に関する大統領令を発令した。これを受け、公共事業・国民住宅省が関連施設の建設事業を実施する作業部会を設置。14施設の改修は来年8月完工を目指す。
 また大統領令で交通インフラ整備を運輸省に、試合中継など通信の整備を通信情報省に、選手育成や大会運営準備などを青年スポーツ省に指示。インドネシアが1962年以来、56年ぶりに主催国となるアジア大会の準備を急ぐための法整備を進める。
 公共事業・国民住宅省ははブンカルノ競技場スポーツ施設の再開発計画に104兆ルピアを投じる。メーンスタジアムのブンカルノ競技場は天然芝で縦105・横70メートルのグラウンドと400メートルトラックを残したまま設備を刷新し、観客席を8万から6万に減らす。
 水泳場(50メートル)は横幅23メートルを25メートルに拡張し、現在の競技用レーン8を10レーンに、深さを2.5メートルから3メートルに変更。サッカー場にある三つのグラウンドは、縦110メートル・横90メートルを縦105メートル・横68メートルに縮小する。
 他にはソフトボール場(ピントゥ1・チュマラ3)、バドミントン競技場、マディヤ陸上競技場、イストラ屋内競技場、バレーボール場、アーチェリー場、バスケット場、ホッケー場、テニス屋内・屋外競技場をそれぞれ改修し、施設を公式基準に合わせる。
 また先月には、競技場周辺のスディルマン通りに完成予定の大量高速鉄道(MRT)地下鉄駅から競技場へ向かうための利便性向上や緑化を目的に、同通り沿いにあるゴルフ練習場「ドライビング・レンジ・スナヤン」を閉鎖、5月から公園建設工事を開始する。また競技場敷地内の駐車場や歩道、子ども用遊具なども整備し、今後車の乗り入れを制限する。
 一方、中央ジャカルタ区クマヨランの選手村建設計画は昨年9月の着工予定から大幅に遅れている。当初、ジャカルタ特別州政府が開発事業を請け負う予定だったが、アホック知事の反対もあり、最終的に中央政府が担当することが決定、建設業者の入札も終えた。事業総額7千億ルピアを国家予算から投じ、18年初頭完工を目指す。
 アジア大会のもう一つの会場である南スマトラ州パレンバンでは、11年のSEAゲーム(東南アジア選手権大会)で使用されたジャカバリンの「ジャカバリン・スポーツ・シティ」周辺の整備が進められている。
 特に次世代型交通システム(LRT)の建設が急ピッチで進む。昨年10月に着工、パレンバンの第2スルタン・マフムッド・バダルディン空港との約23キロを結び、13駅を設ける。今月3日にはジョコウィ大統領が建設現場を視察し、大会開催前の完工をあらためて指示した。(山本康行)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly