天体ショーに期待 9日の皆既日食 ジャカルタは88%
天体ショーにインドネシア各地が沸いている。月が完全に太陽を覆い隠す皆既日食が9日に近づいており、海外から研究者や観光客らが次々とインドネシアに到着。各地で受け入れの準備が大詰めを迎えている。ジャカルタ特別州内でも太陽の88%が欠けて見える。
航空宇宙研究所(LAPAN)によると、9日に観測できるのは、西スマトラ州とブンクル州、南スマトラ州、ジャンビ州、バンカブリトゥン州、西カリマンタン州、中部カリマンタン州、南カリマンタン州、東カリマンタン州、西スラウェシ州、中部スラウェシ州、北マルク州の12州。
皆既日食は4分9秒間発生し、北マルク州ハルマヘラ県で最長となる3分20秒間、観測できる。場所によって観測時間が異なるが、午前6時すぎ〜同9時前の間に各地で見ることができる。気象庁(BMKG)の予報では曇りになる地域が多く、中部カリマンタン州パランカラヤでは75%、南スマトラ州パレンバンでは50%で、北マルク州テルナテが25%となっている。
パレンバン市内では、皆既日食の観測場所に計11の天体望遠鏡を配置。アンペラ橋には天体望遠鏡が五つ設置される予定で、LAPANと共同で橋の下に小型のプラネタリウムを設置する。さらに観光客や地元の学生向けに7日から皆既日食のイベントを開催。ジャカバリン競技場やパレンバン・インダ・モールなどにも小さなプラネタリウムが設置され、日食グラスの作成や皆既日食について解説する。
中央ジャカルタ・チキニのタマン・イスマイル・マルズキ(TIM)のプラネタリウムでは、パレンバンやテルナテなど皆既日食が観察できる土地から日食の様子を中継でスクリーンに映し出すほか、六つの天体望遠鏡を配置し、4700個の日食グラスを用意する。午前5時から開館するが、日食の見ごろは午前7時16分から同8時半ごろだという。
国内最大手の書店チェーン、グラメディアでは2月からインドネシア各地の店舗で日食グラスを販売しているが、どこも品切れで供給が追い付いていない。パレンバンでは2月時点ですでに日食グラスが売り切れ、ブンクル州でも4日時点で完売しているという。(毛利春香)